2013 Fiscal Year Research-status Report
新聞アーカイブ・コーパスを用いた英語語義・語法研究手法の検討から研究実施まで
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23720255
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
加野 まきみ 京都産業大学, 文化学部, 准教授 (90352492)
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Keywords | コーパス / 意味変化 / hero / ICT |
Research Abstract |
今年度は,データ処理のための分析ツールの機能の検討・開発を行った.膨大な量の結果データ処理のために必要な各種機能(並べ替え,KWIC表示,コロケーションの計算,使用分野の特定など)を検討し,どのようなデータにどのような統計値が必要かなどを決定し,具体的な調査を進めた. 具体的な語の調査の例としては,heroの意味変化の調査が挙げられる.この語は,正義の味方のような誰もがあこがれる存在を指す本来の意味から変化し,9.11以降,勇敢な救命活動の末,命を落とした消防士や,また単にテロなどの犠牲者を指すようにもなり,新たな意味が定着しつつあることがわかった.この新義がどのような文脈・分野で使われるか現在調査しているところである. また,コーパスを扱う上で役立つツールを活用する方法を実用的な例と共にまとめて文章とした.自分が便利だと思うツールとその使い方を紹介することで,同種の研究を行う研究者や,これからコーパス研究をしたいと思う初学者,また,コーパスを教育に生かしたいと思う教員の様々な活動に貢献できると思われる. 周辺的な調査としては,一般的な大学教員・大学生のICTの利用実態についてのアンケート調査を行った.ICTの使用はこのようなツールを用いた言語研究の基本となるスキルであるので,ツールを一般に公開して多くの人に使ってもらうためにはどのような機能を備えていればいいのか,どうすれば使いやすくなるのかなどを知るためである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本格的な語彙研究を進めると同時に行った,ICT利用実態調査など周辺的な調査に予想以上の時間が取られた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで開発してきたツールの完成を目指す. 下記研究テーマのうちからできるだけ多くを具体化させ,データの収集・分析を行う.テーマとしては以下のようなものが挙げられる. ・ある語の語法・意味の変遷や地域差.・英米ジャーナリズム英語の比較.・新語の誕生から使用範囲の広がりの調査.・同義語の使い分け調査.・ジャンルによる語彙使用の違い. 研究成果を国内外の学会,学術雑誌に発表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月に予定していた香港での学会発表を行わなかったため,次年度使用額が生じた. 次年度は,ツール完成に向けて,Web開発ソフトやそれに必要な機器,プリンタトナー等の消耗品,国内外での研究成果発表に使用する.
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Research Products
(6 results)