2014 Fiscal Year Research-status Report
ライフステージに伴う外国人妻のアイデンティティの変遷
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23720263
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
伊藤 孝恵 山梨大学, 総合研究部, 講師 (10348104)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際結婚 / アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は、調査対象者に対し、アイデンティティを中心としたライフストーリーを尋ねる聞き取り調査を実施しました。当該年度は、調査対象者一名が、長女が中学入学を迎えたライフステージにあり、新しい環境での友人関係や学業面を心配する母親としての様相が大きく表れる語りとなりました。国際結婚後から今日に至るまでのことを振り返りながら、子育てに関し悩み、子どもが幼稚園や学校などでうまくいっていないと、それが母親である自分自身の悩みとなって苦しかった経験などを語ってくれました。またPTAでの他の母親との関係において、やり方や子育ての違いなどを感じる時には、それらを母国との違いとして捉えており、こうした人間関係においてうまくいかない時に母国の存在が、彼女の中で頭をもたげてくるようでした。 また、別の調査対象者についても、保育園児の母親としての生活が中心のようでしたが、自分自身の時間も楽しみ、自己研鑽に励みたいという意思も持っているようでした。母国に関するTVのニュース報道やスポーツの国際試合などに敏感に反応し、それらが自分の周囲の人たちにどのような影響をもたらすかを気にしている様子も見受けられました。自分の母国に対する誇りやアイデンティティは、周囲の人に母国がどう受け取られているかに関して強く現れるようでした。 当該年度は、聞き取り調査の後、インタビュー内容を文字起こし、まとめました。今後はその内容を分析して論文としてまとめたいと考えています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、聞き取り調査の継続を予定しており、概ねそれが達成されたと考えております。インタビュー内容を文字起こし、まとめました。H27年度に論文としてまとめる準備ができたと思います。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、聞き取り調査で得られたインタビュー内容を分析し、学会における口頭発表や論文として発表できるよう、まとめていきたいと考えています。
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Causes of Carryover |
物品が予定より安価に購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表や論文執筆でかかる諸経費に充てたいと思っています。
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