2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本語を使う私の学び―私費留学生から永住者になった中国人女性のライフストーリー
Project/Area Number |
23720264
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
範 玉梅 大阪大学, 文学研究科, 研究員 (80551952)
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 中国人移民 / 女性移民 / ジェンダー / 日本語学習者 / 留学生 / 共生社会 |
Research Abstract |
本研究は、日本における私費留学生から永住者になった8人の中国人女性に協力いただき、日本語を使う彼女らの学びに焦点におき、第二言語で生きる彼女らの経験及びアイディンティティの変容をライフストーリーで捉えようとするものである。この研究目的を達成するために、平成23年度は、研究対象である中国人女性たちが生きてきた母国中国及び日本の社会文化環境、日本にいる彼女らの経験を把握するための文献調査及びインタビュー調査を行った。平成24年度は、追加インタビューを行いながら、彼女たちはどのように異文化を対峙する中で、何を学び、どのように成長してきたのかを分析し、彼女たちの生きる姿をライフストーリーでまとめてみた。最終の平成25年度は、ジェンダの視点を取り入れ、協力者の女性たちのことも含めた日本社会にいる女性の問題などを考察では総合的に検討した。 平成25年度では、“ Language as cultural capital for female L2 users(移住女性の文化資本としての言語)”(39回目の全国語学教育学会)を主題にした口頭発表を行った。本発表に言及した女性移民の問題がニュースレターでも掲載され、議論すべき話題として言語教育研究に注目されるようになること自体が非常に意味があると言える。2014年8月に出版する中国語の訳著である<<第二言語学習者的成長>>(中国高等教育出版社出版決定)は、学習者の自主学習の育成を考えたものであり、本研究においては学びと第二言語学習環境との関係を検討するにはよいヒントを与えてくれたものでもある。現在、筆者は共同プロジェクトを二つ取り組んでいる。一つは中国人大学院生向けの教育学研究方法論のシリーズ図書の編著(<<日本語教育学研究方法論>>)、もう一つは中国人日本語学習者向けの教科書の編著(<<現代日本社会>>)。二つとも本研究のデータを基にしたものであり、本研究の更なる発展となるものだと言える。
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Research Products
(8 results)