2011 Fiscal Year Research-status Report
日本語教育における「表現文型」の概念整理と総合文型索引の作成
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23720269
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
橋本 直幸 福岡女子大学, 文理学部, 講師 (30438113)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 文型 / 表現文型 / 構造文型 / 表現文型辞典 |
Research Abstract |
23年度は、「表現文型辞典」類の総合索引を作成するため、既に出版されている8冊の表現文型辞典の項目をエクセルに入力、整理する作業を行った。対象とした表現文型辞典は、『日本語表現文型 用例中心・複合辞の意味と用法』『学習者の発想による日本語表現文例例文集』『「あいうえお」でひく日本語の重要表現文型』『教師と学習者のための日本語文型辞典』『多様な日本語母語話者による中上級日本語表現文型例文集』『どんな時どう使う日本語表現文型辞典』『くらべてわかる日本語表現文型辞典』『"生きた"例文で学ぶ日本語表現文型辞典』である。なお、各辞書により文型の表記法や項目の立て方に違いがあるため、共通するルールを作り、各辞書を対照できるようにした。また、「表現文型」研究史を概観するため、各辞書の「表現文型」の定義・記述を確認し、寺村以降の概念の変遷を確認した。橋本直幸(2012予定)「日本語教育における「表現文型」の定義をめぐって」『香椎潟』56・57合併号、福岡女子大学国文学会.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初23年度中には(1)見出し語のリストアップ、目録作成、(2)目録化された「表現文型」全リストの「表現意図」別再配列、の2点を行う予定であったが、研究代表者の所属が申請時から変更したことに伴い、エフォートの見直しも必要となったため、(2)については次年度の課題として先送りすることとした。その代わりとして、次年度予定していた「表現文型」研究史の概観について、23年度中に行い、論文としてまとめた。(1)については、8冊すべての見出し語の入力および形式ごとの整理が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は、23年度中の課題のうち先送りとした「目録化された「表現文型」全リストの「表現意図」別再配列」の作業をまず行い、それが完了した段階で、web上での公開、および冊子としての印刷を行い、配布する。「表現意図」別の再配列については、「表現文型辞典」の中で主として表現意図(機能)を明記している『教師と学習者のための日本語文型辞典』(グループ・ジャマシイ編)を参考にしつつ、見直しを行いながら、既にリストアップしている文型を再配列する。意味・機能の整理は従来の記述文法的観点からのみの記述ではなく、日本語教育現場に還元できる意味・機能の分類を考えることとし、その過程については論文(あるいは研究報告)としてまとめる。 web上での公開にあたっては、文型からの五十音順検索のほか、意味・機能からの検索や、出典となる辞書ごとの検索などの詳細検索も可能とし、ユーザーフレンドリーなデータベースとして公開することを目指す。紙媒体でまとめる際には意味・機能別配列とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
作成した表現文型総合索引の印刷・製本を行い、またweb上での公開を行うため、web版を作製する。ホームページビルダー等、ホームページ作成ソフトでの作成を行うが、総合文型索引の検索機能(五十音検索、機能検索、出典検索等を含む詳細検索)を充実させるにあたっては、専門の業者に作成を依頼することも検討する。また、表現文型研究史を継続させるための関連書籍を購入する。とくに文型辞典だけでなく日本語教科書でどのように扱われているか、また日本語教育以外の言語教育の教材で、これらの文型がどのような位置付けで扱われているかを確認するため、他言語の図書も購入予定である。表現文型リストの整理や表現意図別の再配列等、事務的な作業にあたっては協力者に入力・整理を依頼する。
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Research Products
(3 results)