2014 Fiscal Year Annual Research Report
協働学習場面におけるブレインストーミング促進用カードゲーム教材の活用とその効果
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23720272
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
澤邉 裕子 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (40453352)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | カードゲーム / ブレインストーミング / 協働学習 / 日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ブレインストーミング法を取り入れたカードゲームが日本語学習者のストレス(言語不安)軽減に与える影響について検討することを目的としている。近年、日本語教育の現場では学習者同士の協働的な学びあいが盛んに行われるようになっているが、協働学習場面における日本語学習者の情意面に関して調査した研究は管見の限りあまり多くない。ブレインストーミング法を取り入れたカードゲームは、これまで日本人学生に対する調査研究において心理的ストレス軽減の効果が報告されており、同様の効果が日本語学習者に対しても見られれば協働学習において有用な学習活動、ツールとなる可能性が期待できる。平成24年度は、日本国内の多国籍の留学生クラスにおいて、ブレインストーミング法を取り入れたカードゲームを実施し、その事前事後に言語不安調査を行って言語不安の軽減の程度について実験調査を行った。その結果調査項目全13項目中、3項目においてカードゲームの後、有意に言語不安が下がったことが認められた。平成26年度は調査協力者を自由にディスカッションをするグループとブレインストーミング法を取り入れたカードゲームをしながら意見を述べるグループに分けて同様の実験調査を行った。その結果、ブレインストーミング法を取り入れたグループでは13項目中半数以上の7項目において有意に言語不安が下がったことが認められ、その数はブレインストーミング法を取り入れないグループ(5項目で有意に言語不安が減少)よりも多かった。これらの結果からグループによる話し合い活動を行うことが第二言語不安軽減に結び付いている可能性が示唆されたが、特にブレインストーミング法を取り入れた教室活動を行ったグループにおいてその傾向が強く見られることが明らかとなった。これによりブレインストーミング法を取り入れたカードゲームが学習者の言語不安軽減に影響を与える可能性が示唆された。
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