2011 Fiscal Year Research-status Report
留学生の就労支援環境構築のための基礎研究―元留学生のライフストーリー研究
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23720277
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Research Institution | Tokuyama University |
Principal Investigator |
三代 純平 徳山大学, 経済学部, 講師 (80449347)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 元留学生 / ビジネス日本語 / ライフストーリー / 日本文化 |
Research Abstract |
本年度は、研究初年度として、先行研究のレビューとパイロットスタディを中心に行った。先行研究レビューとして、ビジネス日本語の教材とビジネス日本語関連の研究を収集し分析した。その結果、ビジネス日本語のニーズが2000年代になり急速に高まっている現状に加え、その中で、敬語と日本文化理解の必要性がくり返し論じられている実態が明らかになった。またその議論では、従来議論されてきた日本文化理解の扱いの権力性が、ほとんど論じられなくなっているという課題も見えてきた。 パイロットスタディでは、韓国人元留学生(就職活動中の留学生も含む)5名、中国人元留学生5名にそれぞれ1回~2回、1回につき1時間から2時間のライフストーリー・インタビューを行った。インタビューでは、留学するまで、留学生活、就職活動、就職後のそれぞれのステージにおけるストーリーを聞いた。インタビューからは、ビジネスマナー、敬語の習得の困難以前に、就職を決意するまで、また就職活動そのものの困難が多く語られた。さらに困難とされる就職を成し遂げるまでには、高い目的意識、就職へ向けた技能の習得などを必要とした元留学生がいる一方、周囲の支えを頼りに就職にたどり着いたタイプの元留学生もいた。このことからいくつかのタイプから多角的に元留学生にとっての日本での就職の意味を検討することが必要になっていることが明らかになった。 なお、インタビューデータは、現在、アシスタントにより順次トランスクリプト化している最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究レビューとパイロットスタディから今後の研究課題がより明確になった。よって、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き先行研究レビューを行い、先行研究のレビュー論文を作成する。 また、インタビューを継続し、同時にトランスクリプトを作成する。 今年度中に、昨年度のパイロットスタディをまとめ、学会で発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データの保存、分析等に必要な新しいコンピュータを購入する。 また、必要な図書を購入する。 インタビューに必要な旅費、謝礼を支払う。 トランスクリプト作成の代金を支払う。
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