2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23720285
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
PINTER Gabor 神戸大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30580691)
|
Keywords | e-ラーニング / コンピュータ支援学習 / 音声訓練 / 語学 / 国際情報交流 |
Research Abstract |
プロジェクトの2年目には、初年度に開発した音声データの提示及び録音をウェブ上で可能とするコア技術に基づくクライアントアプリケーションを開発した。開発したアプリケーションは以下の3つの事例で使用された。 (1)神戸大学国際コミュニケーションセンターが実施する海外外国語研修のプレテストとポストテストの発音とスピーチの課題。使用したプログラムは www.pinlab.info/nz/ 及び www.pinlab.info/uw/ からアクセス可能。収集したデータは、学習者を評価した上、英語教育の研究にも利用されている。(2)「ハイブリッドモデルによる英語学習者のプロソディの知覚に関する研究」(基盤C24520542 立石 志乃扶)におけるほぼ十種類の聴覚実験。使用されたプログラムを集めたページは www.pinlab.info/exp/からアクセス可能。(3)本大学院の大学院生の様々な実験。そのなかで注目されるのは、韓国人の参加者を利用する聴覚実験 (www.pinlab.info/django/experiment)。日本から音声の提示や回答の収集が可能になった例として、実際に使用された。 すべてのプログラムは協力者の要求に合わせて開発したため、ユーザビリティの向上だけでなく、様々なタスクに容易に対応できるようなプログラムが構築された。音声収集のやり方及び開発に関わる技術的な問題についての学会発表を行い、また学習者の自動評価を目標としたオープンソース音声認識システムのトレーニングも始動。進捗についてはwww.pinlab.info/blog で報告。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開発したプログラムは負担者以外の人も多くが使えるようになり、様々なプロジェクトでウェブ上の音声提示と録音のツールとして利用されたため、プロジェクトの2年目に目標と掲げたユーザビリティの向上はおおむね達成したと言える。初年度の進展を大きく妨げたサーバーとクライアント間のコミュニケーション問題は、海外の参加者を通しての実験事例で分かるように、おおむね解決できたといえる。 プログラム開発は、大幅予定通り進展しておりますが、以下の2点においては遅延しており、今後の課題となっている。 まず一点目は、学習者にとってのユーザビリティはとりわけ改善されたにもかかわらず、教員側の使用する機能は、未開発のままである。その原因として、学習者へ課題を出す作業には高いITスキルを要する点が挙げられる。ウェブで課題を作成するアプリケーションは、プロトタイプのみ作成され、学会発表では利用可能であったが、一般利用水準には達していない。二点目は、教員が使用予定の学習者評価機能であり、こちらにおいても未開発である。以上二点は、音声プログラミングとは密接に関係しておらず、ユーザ管理をするウェブシステムに基づくものであり、負担者は、そのウェブプログラミング知識を身につける必要があるといえる。 最後に、負担者以外の利用者も使用できる安定したアプリケーションを開発できた一方、ユーザ管理をするウェブシステムが未開発である点をふまえると、プロジェクトの総評価としては「やや遅れている」といえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度の目標として、2年目に対応できなかった教員側のユーザビリティ機能の改善が挙げられる。特に重点を置く必要がある点は、教員が使用予定の、学習者に対する課題作成機能および、評価機能の開発である。これらの機能を有するシステムは、最終的に学習者と指導者を管理するウェブシステムにつながるものであり、Moodleといった既に存在しているオープンソース教育システムとの統合も将来的に可能であると考えられる。 また、現在のデスクトップアプリケーションに加えて、近年のスマートフォンやタブレット利用ユーザが今後さらに増加する傾向を視野にいれ、できるだけ多くの音声訓練システムをウェブ上で使用可能にすることが求められるといえる。ただし、音声収集を完全にウェブテクノロジーに移行することは、技術的に不可能ではあるため、録音以外の機能(タスク作成の一部、評価など)が、ウェブ上移行の開発対象といえる。現在利用可能が確認されている、Javaで開発したコア技術を、Android OS上でも使用可能にすることもできるだろう。現在開発しているプロジェクトはスマートフォンへの対応は目標とはしていないが、そのような作業が容易にできるよう開発を発展させる。 技術的な作業と並行して、海外や国内における様々な学会へ参加し、プロジェクトに対する意識を深め、開発に関わる技術的な問題についての意見交換を行います。今後直近の意見交換の場としては、2013年12月の 「The 13th Korea-Japan Workshop on Linguistics and Language Processing」に出席予定で、同学会での、音声認識システムのトレーニングの発展についての発表準備をすすめている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な予算使用目的は以下の通り。 (1)海外の音声認識学会への参加(Interspeech 2013, Lyon、フランス) (2)プロジェクト2年目に予定していた海外協力者 Oliver Jokisch博士の招聘。2012年度に訪問を予定していたが、協力者の都合上不決行となり、プロジェクト3年目に延期することとなった。 (3)音声認識システムのトレーニングのために必要な書きおこし(音声を文字化する) 上述以外、国内発表への参加、ウェブページの開発、消耗品なども次年度の予算で対応予定。
|
Research Products
(5 results)