2013 Fiscal Year Annual Research Report
第2言語音声習得における知覚と生成の問題:成人日本語学習者の外国人訛りを中心に
Project/Area Number |
23720286
|
Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
金 菊熙 松山大学, 人文学部, 准教授 (00599417)
|
Keywords | 第2言語習得 / 音声模倣 / L2音声の知覚と生成 / 外国人訛り / 成人学習者 / 第2言語話者 / 発話模倣能力 / 第2言語学習 |
Research Abstract |
平成23年度から25年度にわたって行われた本研究の主目的は、2010年度に公刊された学位論文のポストテストを行うことである。その上、先行研究の結果提示された諸課題について新たな実験データをもって再検討を行い、研究結果の一般化及びさらなる知見を得たいと考えている。そのための研究手順として、先行研究で使われた音声データを再度用いることなく、音声データの収集からすべてをやり直すことにした。この分野の研究において最も考慮すべきことは、一定の基準のもとで選定された被験者(第2言語学習者)とその被験者のデータ(音声発話データ及び学習背景データ)を確保することである。そのため3年間の研究期間を設け、何よりも実験データの質の確保を最優先にしてきた。 研究初年度は、国外では台湾における日本語学習者(外国語として日本語を学ぶ者)の発話データを集めた。そして、国内では島根県と東京に在住する長期滞在者(生活言語として日本語を学ぶ者で中国語と韓国語の母語話者)の音声データを集めた。そして研究2年目の平成24年度には、前年度に引き続き日本国内(名古屋・高知・徳島・愛媛)に長期滞在する中国語と韓国語の母語話者の発話データ収集と学習背景調査を行った。最終年度を迎えた平成25年度には、国内での第2言語習得者との比較集団として設けられた国外での第2外国語学習者のデータを集めるべく、9月には韓国ソウル所在の中央大学校で、26年3月には中国常州所在のJIANGSU UNIVERSTIY OF TECHNOLOGYにて、それぞれの大学で日本語を専攻する20名前後の学生を対象に上記同様の実験を行い、必要なデータを集めることが出来た。今後、3年間にまとめられたデータの編集作業を終え、2次実験を行ったあと、その結果を論文として取りまとめ、本科研の研究成果として発表したい。また、必要に応じて新たな科研費への申請をも考えたい。
|