2012 Fiscal Year Annual Research Report
小学校における日本人英語指導者対象の研修内容の効果に関する実証的研究
Project/Area Number |
23720298
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松永 舞 近畿大学, 経済学部, 准教授 (30351571)
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Keywords | 小学校英語活動 / 研修内容 / 日本人指導者 / ゲームの指導 / 教室英語 |
Research Abstract |
1.研究目的概要本研究は小学校教員の英語活動における指導力・英語力を向上させるためのより効果的な研修内容を追及することを目的とした。具体的には、指導力・英語力に関する頻度の高い研修項目を2つ取り上げ、それぞれをどのような方法でどの程度の練習時間を割けば被験者の能力向上に結びつくかを検証し、実証的データに裏付けされた効果的な研修内容を作成した。取りあげる項目は1 年目は「ゲームの指導法(英語による指導力)」、2 年目は「教室英語習得(英語力)」とした。教職課程(英語)科目「英語科教育法I」を履修する大学生を被験者として2 グループに分け、実施方法と実施時間の差による2グループ間の英語による指導力・英語力向上の差を測定した。2.研究成果概要練習回数が多い方が望ましいという当然の結果だけでなく、たとえ数回の練習であってもある程度の効果があることも分かり、教職科目の一部に実践練習をたとえ少しでも組み込む効果と重要性を示唆した。またゲーム活動に関しては、指導者が教員(被験者)にモデルとなる指導方法を実演提示することが特に経験の浅い教員にとって効果的な研修方法の一つであることが分かった。教室英語習得に関しては、暗記した教室英語を教員(被験者)が実際に使って指導練習する場を設けることが重要であることが明らかになった。このことは実践練習の重要性を示唆している。さらに、ゲームの指導方法および教室英語習得の両項目において、英語力の差(TOEICスコアの差)がインタビューテストの点数に差をつけないことが分かった。このことは英語力が低い被験者でも練習(研修)を通してある程度の指導力、英語力がつくことを示唆しており、実践練習(研修)の重要性を改めて意識させる結果である。これらの結果は今まで勘に基づいて行われてきた研修方法と必ずしも一致しないことから、いかに実証的研究が重要であるかを示している。
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