2011 Fiscal Year Research-status Report
Effect of Environment on L2 Motivation
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23720304
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
AUBREY Scott 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 講師 (40584115)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | L2 motivation / intercultural contact / audio diary / international posture |
Research Abstract |
今年度は研究計画・方法に従い定量的・定性的データを収集した。1600分以上の音声を録音したオーディオ日記が立命館アジア太平洋大学と関西学院大学の学生22名から提出された。日記は国際大学と非国際大学との異なる環境で発生する異文化接触のエピソードである。また今年度第1セメスターに両機関で282名、第2セメスターに同じ学生258名にアンケートを実施した。定量分析は、国際大学における日本人学生の意欲的学習行動が非国際大学の学生の意欲的学習行動とは若干異なる方法で測定された変数の影響を受けたことを明らかにした。国際的な姿勢とL2学習環境は両方とも両大学の学生の動機づけに重要な影響を与えた。しかし、国際大学では異文化接触が増えると国際的な姿勢、義務自己(L2 ought-to self)に直接的な影響を与え、学習行動の意欲度に間接的に影響した。定性的・定量的なデータからの結論としては、国際大学では日本人学生と留学生との間の異文化接触が促され、その結果、英語を勉強するという義務自己に対してより強い義務感を感じる。要因効果モデルは予備的データに適合し査読付き書籍「Foreign Language Motivation in Japan」(印刷中)の一部に収録された。さらに本研究の文脈下でのオーディオ日記手法の体系的な評価が行われた。参加者18名からのフィードバックを得るため追跡アンケートを用いた。それによると学生は概ね正直に日記をつけ、日記を毎日つけることは学業の妨げにはならず、日記を提出するためのテクノロジーは容易に駆使することができると結論づけられた。しかし、学生がデータ収集を完了するには金銭的なインセンティブが必要であり、参加者が態度と動機の変化に関する内省的な考えを記録することが極めて難しい。これらの結果に基づいて論文を提出し、受理された。本研究の予備的結果は3つの学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトは概ね順調にスケジュールどおり進行している。分析に必要なデータすべてが収集された。いくつかの小さな予期しない困難があったが、これらは十分に克服できた。音声録音したオーディオ日記の学生参加者2名は研究から脱落したが、その後すぐに別の学生2名に置き換えて研究を続けた。質的データ(日記エントリーは1600分以上)が非常に大きな量であることを考えれば、2名の変更は無視できる程度のはずである。さらに、2番目のアンケート(258)の回答率は、最初のアンケート(286)の回答率よりも低かった。しかし、これは初期の研究計画・手法で述べた望ましい回答数(少なくとも200)よりも依然としてかなり高い数字である。一回目のアンケートとオーディオ日記の予備的な分析を完了しているが、収集した最新のデータの分析がされていない。これは今後数ヶ月以内に実施される。これは研究の当初の計画に沿ったものである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究のためのデータはすべて収集した。本研究の次の段階は、データ分析、成果の発信などがある。予備的な分析は終わっているので、比較的簡単なプロセスとなる。アンケートデータを用いて統計式モデルを作成するためにSPSS AMOSを用いる。最初のアンケートの分析の後、アンケート項目は非常に信頼性のあることが判明した。よって、モデル構築や推論を行うことは、多くの困難をもたらさないだろう。分析は2012年7月で完了する予定である。フルペーパーは、2012年9月までに執筆し、出版のために提出する予定である。ジャーナル提出で最初に選んだのが、非常に高いインパクトファクターを持っている世界的に有名な査読付きジャーナル「TESOL Quarterly」である。フルペーパーをジャーナルに提出する前に、様々なジャーナルの編集者と話す予定にしているので、この種の研究に適したジャーナルを見つけることができる。また浜松で開催される「The 39th Annual International Conference on Language Teaching and Learning & Materials Exhibition(JALT2012)」にアブストラクトを提出した。このプレゼンテーションはオーディオ日記メソッドの評価についてである。7月下旬に発表できるかどうか判明する。アブストラクトは、米国テキサス州ダラスの「The TESOL International Convention」にも送付する。このプレゼンテーションは2013年3月に行われる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年の研究予算は30万円ある。研究協力者と会うため、大阪へ出張し、7万円を費やす予定である。これは会議用プレゼンテーションの準備や、データ分析と出版用論文の概要を作成するために必要である。約90,000円は浜松における「The 39th Annual International Conference on Language Teaching and Learning & Materials Exhibition (JALT2012)」で学会発表するために使用する。この学会発表は2012年10月に行われる。14万円は米国テキサス州ダラスの「The TESOL International Convention」の学会出席に使用する。この学会発表は2013年3月に行われる。
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Research Products
(5 results)