2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23720320
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
BERTELLI Antonio 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 講師 (60598431)
|
Keywords | 日伊交流史 / イタリア / 日本 / 幕末・明治期 / カルロ・グリッロ / 未刊の一次史料 / 学術専門書 / 蚕種商人 |
Research Abstract |
今年度に達成できた目的は以下のとおりである。 1)予定通りに、2012年10月20日に、イタリア学会の第60回年次大会で1871-72年に来日したイタリア人海軍大尉カルロ ・グリッロ(Carlo Grillo)が日本から母に宛てた18通の未刊書簡(以前イタリアで発見したもの)を中心とした研究発表を行った。また、トリノでカルロ・グリッロの末裔に再会し、新たな史料を入手できた。現在は、ローマ、トリノ、ヴェネツィア、ボローニャで収集した史料や書籍を踏まえた上で、グリッロ家が提供した資料や情報、そしてイタリア学会発表の際に受けた質問や助言を活かせながら、論文を執筆し、2013年度中に学術雑誌に掲載する予定である。 また、2013年9月にローマで開催される伊日研究協会(AISTUGIA)の第37回大会で研究発表を行うことが決定され、本研究の成果をイタリアでも公開し、イタリア人研究者とも意見を交換する予定である。 2)東京の日本外務省外交資料館、そしてローマのイタリア外務省歴史外交資料館などで収集した史料を利用し、1868年夏に未開港の新潟を訪れた時に戊辰戦争に巻き込まれたイタリア人蚕種商人らに関する研究を進めることができた。これは現在執筆中の学術専門書(仮タイトル:『幕末・明治初期の日本とイタリア ―蚕種外交を中心に―』、発行者:清文堂出版)の重要な部分にあたるものである。本研究の内容は香港城市大学で2012年11月24-25日に開催された『第九回国際日本語教育・日本研究シンポジウム』で発表した際に多くの質問や助言を受けることができた。更に、2013年9月27日に新潟市歴史博物館で、この研究の成果を発表する機会を与えられたため、学術専門書に活用できる新たな助言を得る予定である。 3)学術専門書のための研究活動は順調に進み、執筆活動は2014年度末までに終了する予定である。
|
Research Products
(3 results)