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2012 Fiscal Year Research-status Report

戦後日本における在本土沖縄出身者ネットワークの実証的研究

Research Project

Project/Area Number 23720327
Research InstitutionTokyo Keizai University

Principal Investigator

戸邉 秀明  東京経済大学, 経済学部, 准教授 (90366998)

Keywords日本現代史 / 沖縄戦後史 / 越境 / 移民ネットワーク
Research Abstract

平成24年度は、以下の事情により研究計画を一部変更し、史料の調査・収集とその整理・検討に重点を置いて研究を進めた。
1.昨年度発表した研究論文で明らかにした、1950年代の在本土沖縄出身学生による復帰運動について、今年度はその当事者の方数名にインタビューを実施することができた。その結果、当事者の証言によって、私の論文が明らかにした史実の妥当性が確認できたとともに、新たな研究史上の課題を発見することができた。
2.平成23年度末(3月)に実施した沖縄近現代史研究者(故人)の蔵書・史料の調査・整理の機会を得たことで、太平洋戦争末期の沖縄県からの疎開に関する史料および戦後の沖縄県内への帰還に関する史料(いずれも複写)を多数閲覧することができた。これらを整理し読解を進めるとともに、那覇市歴史博物館(旧那覇市史編集室)等、これまで自治体史編さんの過程で、戦時疎開の実態解明を比較的熱心に進めてきた自治体の史料所蔵状況の調査(必要に応じて複写)を実施した。
1・2いずれについても、関係者からの聞き取り、所蔵状況の再確認等、比較的緊急性が高いものと判断し、24年度は、調査地を沖縄に絞って数度の調査を実施した。これにより、(1)1950年代の在本土沖縄人の動向について検討する際には、当時「留学生」であった沖縄出身学生の運動の検討が不可欠であること、(2)敗戦後の「帰還」をめぐる混乱と困難を検証するには、その前提としての戦時末期の県外疎開の実施状況に関する一貫した視点が必要であること、を確認することができた。現在、24年度に調査した史料の整理・読解を進めているところである。
なお、24年度は学会大会で報告を求められたのを機会に、24年度時点での調査成果にもとづき、沖縄の諸社会運動における越境性の持続等について考察した報告を「現代沖縄民衆の歴史意識と主体性」と題して行い、現在、印刷中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成24年度は、上記「研究実績の概要」に記載した通り、当初の研究計画を一部変更して調査・分析を進めた。沖縄への調査出張に加えて、神奈川県下での史料調査(神奈川県庁関係、横浜市・川崎市・横須賀市)については、当初の計画通り実施できた。しかし、それ以外に予定していた調査地への調査は、費用・時間の都合上、実施できなかった(名古屋市に関しては、24年度中に予備調査を実施した)。
また、論文の作成・発表については、初年度(23年度)において、申請時の想定以上に早期に成果を発表することができたが、24年度はその分、直接的に本研究の調査結果に関連する論文は発表することができなかった。
その結果、全体としては資料の収集および整理・読解が主となった。

Strategy for Future Research Activity

1.平成24年度に実施を予定していた3箇所(①九州北部地域、②名古屋、②鹿児島・奄美地域)について、早期に調査を実施する。とりわけ、①については、日本本土占領期にのみ存在した集住地域の存在など、未解明の点が多いため、この調査をもっとも重点的に行う。合わせて、東京都内、神奈川県内については引き続き追加調査によって遺漏のないように努める。
2.前2年度の調査をふまえた関連史料の体系化、および既存の公開・公刊史料との異同に関する検討をふまえた新出史料の公開を進める(「史料紹介」形式の論文作成による)。
3.以上の成果にもとづき、研究論文の作成および報告書の作成を進める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

1.史料体系構築のための史料収集(3年目=追加・補足、①九州北部地域、②名古屋、②鹿児島・奄美地域)にかかわって発生する旅費、史料複写費。
2.収集史料の体系化、および重要史料・史料群の翻刻・解題の作成・執筆にあたって発生する史料複写費、製本費、その他(プリンタインク等)。
3.研究論文の執筆と発表にかかわる抜刷制作費。
4.報告書の作成にかかわる印刷・製本費。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 現代沖縄民衆の歴史意識と主体性2013

    • Author(s)
      戸邉秀明
    • Journal Title

      歴史評論

      Volume: 758号 Pages: 23-40

  • [Journal Article] 「高度成長」にむきあう方法意識のために(大門正克他編『高度成長の時代』全3巻書評論文)2012

    • Author(s)
      戸邉秀明
    • Journal Title

      年報日本現代史

      Volume: 17 Pages: pp.243-252

  • [Presentation] 現代沖縄民衆の歴史意識と主体性

    • Author(s)
      戸邉秀明
    • Organizer
      歴史科学協議会第46回大会
    • Place of Presentation
      早稲田大学

URL: 

Published: 2014-07-24  

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