2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23720331
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
星原 大輔 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 助教 (70454072)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 日本近代政治史 / 江藤新平 |
Research Abstract |
1、江藤新平の言動や思想の一貫性と変化を考察するためには、江藤自身の史料を検討する事が第一義である。そのため、本研究課題において、原史料の大部分を所蔵している佐賀県立図書館への出張調査は欠かせない。そのため、以下のような出張を行なった。(1) 佐賀県立図書館が所蔵する「江藤家文書」のうち、マイクロでは判読できない箇所を確認するため原本の調査を行なった。また「江藤家(茂国旧蔵)資料」の史料調査も行ない、新たな関連史料を数点確認したので、それらの複写を行なった(8月18日~21日)。(2) 福岡県立図書館における郷土資料の閲覧を行ない(8月23日~25日)、また福岡市総合図書館における「早川家資料」などの史料調査を行なった(8月26日~28日)。ここで関連論文を見出したので、それらの複写を行なった。2、江藤の言動が「岩倉、大久保、木戸ら維新政府の首脳からどのように評価されていたのか」を明らかにするためには、その周辺人物の史料を検討しなければならない。すでに翻刻活字化されている史料以外のものも検討する必要があるため、諸研究機関(国立国会図書館憲政資料室や国立公文書館、東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センターなど)に赴き史料調査を行なった。その上で、必要なものは順次複写した。3、これまで収集した関係史料の翻刻作業を進め、内容分析を行なった。これと並行して、明らかになった事柄を、作成中の「江藤新平関係年譜」に追加していった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1、新たな関連史料の収集(国立国会図書館憲政資料室、宮内庁書陵部、国立公文書館、佐賀県立図書館など)を鋭意進めてたが、これらの解読作業の進捗状況が芳しくない。そのため、各史料の内容分析が予定より進まなかった。したがって、今年度はこの点にかなり時間を集中しなければならないと考えている。2、佐賀県立図書館への史料調査を予定していたが、諸事情のため時間がとれず、研究出張が一度しかできなかった。今年度は時間調整をきちんと行ない、数度出張を行なう予定である。3、上記の理由から論文発表・学会報告の準備を進めていたが、昨年度中に実施するまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1、関連史料の分析。これまで解読を終えた史料および新たに収集した関連史料の内容分析を進める。これと並行して、各所で収集した新資料の解読作業も行なっていく。2、関連史料の収集(国立国会図書館憲政資料室、宮内庁書陵部、国立公文書館、佐賀県立図書館など)。機関に所蔵されている各種文書には、翻刻刊行されていない一次史料が多数存在する。その文書中の関連史料の有無を確認し、必要があれば、デジタルカメラによる撮影、あるいはマイクロからの紙焼きを行なう。3、研究目的に関連する書籍の購入、論文のコピー。史料の年代推定や、内容の分析に必要不可欠な各研究書や論文を、随時購入あるいはコピーする。4、江藤新平関係年譜の作成。作業中、明らかとなった事柄を、随時「江藤新平関係年譜」に加えていく。5、論文発表・学会報告。以上の作業中、分析の終えた史料を基に研究成果をまとめ、論文発表・学会報告を行なっていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
史料収集および分析が基本作業となるため、(1)旅費・(2)複写費・(3)図書購入費が主な経費となる。1、旅費については、主に「佐賀」への出張が中心となる予定である。当該地には「江藤家文書」をはじめ関連史料が多数存在しており、史料調査および撮影を行なうためである。昨年度は調査出張が計画通り行なえなかったため、今年度は出張回数を当初の予定より多く考えている。2、複写費については、基本的にデジタルカメラによる撮影を行なう予定である。ただしマイクロ化されている史料は、できるだけ紙焼きを行なう。なお研究課題の関係上、本年度は国立公文書館における複写が相当数になる予定である。3、図書購入費については、翻刻されている資料集など基本図書を揃えるためのものである。
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Research Products
(2 results)