2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23720351
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
飯山 知保 早稲田大学, 文学学術院, 助教 (20549513)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 中国社会 / 華北 / 宗族 / 多元社会 / 文化変容 / 現地調査 / 碑刻 / モンゴル |
Research Abstract |
まず、研究発信と現地研究者との協力関係構築のため、次のような国際学会での発表を行った。(1)「碑刻上的系譜―"先瑩碑"与北方宗族研究」, 国際ワークショップ「近世華北における社会的紐帯としての宗族と宗教」, 東京: 早稲田大学早稲田キャンパス Faculty Lounge Meeting Room (7号館1階)(日本, 中国語), 2011年12月20日.(2)「金元時期北方的修譜與碑刻」, "傳承與變革――10-14世紀中國的多邊政治與多元文化"國際學術會議, 上海: 復旦大學光華東輔樓103會議廳(中華人民共和国, 中国語), 2011年8月27日.(3)「金元時期山西的修譜與碑刻」, 第二届山西区域社会史学討論会, 永済: 黄河京師大酒店103会議室(中華人民共和国, 中国語), 2011年8月9日.(4)「金元時期山西汾河下游地區"地方士人"的延續與變化」, 「東亞的書院與科舉」國際學術會議(第七屆科舉制與科舉學國際學術研討會), 新竹: 國立清華大学人社院A202會議室(中華民国,中国語), 2011年5月28日. (5)「《運使復斎郭公言行録》的編纂与其背景―蒙元時期吏員出身官僚的自我認同和晋升戦略-」, "中古中国的統治方式"青年学術研討会, 北京: 清華大学甲所第二会議室(中華人民共和国,中国語), 2011年5月22日. これらの結果、次年度の現地調査につながる人脈を確保できた。 さらに、2011年8月に山西省北部、2012年3月に山西省東南部で碑刻現地調査を行い、今後の研究に新たな展開をもたらす資料の収集と分析を行うことができた。とくに、山西省大同市渾源県の孫公亮墓と、山西省晋城市陽城県屯城村の鄭鼎墓については、現地の地方政府の協力も得て、かなり綿密な調査を行うことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の骨子は、徹底した現地調査による碑刻資料の収集と分析にあり、それを行うためには、中国現地の学者や研究機関との連携が不可欠である。前年度の学会発表と調査を通じて、山西大学中国社会史研究中心の研究者たち、とくに張俊峰教授と確固とした協力関係を構築することができた。2011年8月と2012年3月に行った現地調査は、張俊峰教授の全面的な協力のもと行われたものであり、現地政府からの協力も十分にうけることができ、従来期待できた以上の成果を挙げることができた。それには、調査した資料の使用権の承認も含まれている。 このように、研究開始一年目で、研究を遂行するうえでの基礎はおおよそ固まった。当初の予測と違わぬ経過であり、研究は順調に進展している。さらに、資料の使用権まで踏み込んで了承が得られたことは、当初の予定を上回る成果であり、2年目の研究計画が前倒しされて実施されたことになる。 また、欧米の研究者との研究交流も深化し、お互いの論文執筆に多くの情報を提供し合った。こうした、国際的な研究交流の進展も、当初の予測を上回る早さで達成されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は上記のような協力体制をさらに拡充すべく、現地調査と学会発表とともに、論文の発表を積極的に行ってゆく。 具体的には、中国での学会発表と現地調査のほかに、ドイツ、フランス、アメリカでの学会に、欧米の研究者とパネルを組んで参加することが決まっており、さらに広範に研究成果を発信してゆく。また、昨年来書き溜めてきた論文を、2012年5月に実施予定の現地調査の結果を参照した上で完成させ、夏以降国内外の学術誌に投稿してゆく。 現地調査に関しては、継続して山西省での調査を行うほか、新たに陝西省での調査も開始する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年5月に山西省で学会発表と調査を行い、その後連続して陝西省での調査も行う。6月にはミュンヘンでの学会に参加し、あわせてバイエルン州立図書館で文献調査を行う。8月には、中国浙江省温州市で調査を行い、その後、河南省開封市と浙江省杭州市で学会発表を行う。9月にはパリで学会発表を行い、ついでジュネーブ大学で資料調査を行う。2013年3月には、アメリカのサンディエゴで学会発表を行う予定である。
|