2012 Fiscal Year Research-status Report
対日BC級戦犯裁判における台湾人戦犯の研究―中英仏豪の戦犯裁判を中心に―
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23720356
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Research Institution | Shokei University |
Principal Investigator |
和田 英穂 尚絅大学, 比較文化学部, 准教授 (90441899)
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Keywords | 国際研究者交流(台湾、イギリス、オーストラリア) / 国際情報交換(台湾、イギリス、オーストラリア) |
Research Abstract |
研究代表及び海外研究協力者であるBarak Kushner氏(ケンブリッジ大学)、藍適齊氏(中正大学)を中心に台湾の国史館、中央研究院近代史研究所档案館、日本の国立公文書館、外務省外交史料館、香港の公文書館で資料調査を実施した。特に研究代表による近代史研究所及び国立公文書館、外交史料館で収集した資料には、台湾人戦犯を含む台湾の戦後処理に関する両政府の動き、特に日華平和条約の「特別取極」に関するやり取りを示す貴重な資料を含むことが判明した。現在これらの資料をもとに論文を投稿中である。 また、それらの成果をもとに、9月6日・7日の2日間にわたってワークショップ(クローズド)を熊本で開催した。参加者は上記の3名の他、許雪姫研究員(中央研究院台湾史研究所)、Beatrice Trefalt教授(Monash大学)、加治宏基研究員(三重大学)が報告及びコメンテーターを担当し、その他大澤武司(熊本学園大学)、武田珂代子(立教大学)がオブザーバー参加した。それぞれの資料収集の状況を把握し、資料の分析からの成果報告(途中経過)を行った。 ワークショップによって、改めて関連資料の散逸の問題を確認しつつも、各国の資料公開状況と研究状況を把握できた。特にオーストラリアでは対日戦犯裁判研究が進行中で、台湾人戦犯を多く生んだ同国の戦犯裁判のケースは今後の本研究の進展に欠かせないことが判明した。また、国際政治及び法学の視点の欠如について意見があり、今後専門家の意見を求めていく、或いは共同研究を進めていくことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外研究協力者である藍適齊氏が勤務先を変更されたことで、同氏が予定されていたオーストラリアでの資料収集が遅れている。しかし収集状況はワークショップでオーストラリアの研究者からも把握しており、次年度夏前に予定している資料収集は問題なく実施予定である。その他の資料収集は概ね予定通りである。 また、ワークショップは予定通り開催し、成果の公開については中国で出版された論文集中に一本掲載されたが、その他研究代表は論文を投稿し審査待ちの段階であり、WEB上での情報公開はホームページ作成準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は遅れていたオーストラリアでの資料収集を7月頃行う予定である。その後これまでの成果を持ち寄り、8月29日・30日の日程で台湾の中正大学で国際シンポジウムを開催(共催)の予定である。 同時進行で積極的に論文を投稿し、WEB上で情報公開を推進していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な使用計画としては、海外研究協力者のオーストラリアでの資料収集に伴う旅費、台湾でのシンポジウム開催費用、研究代表の台湾及び東京での資料収集等を予定している。
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