2012 Fiscal Year Annual Research Report
奴隷解放期における教育と政治の社会史―米国南部解放民学校と黒人議員の事例研究
Project/Area Number |
23720368
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Research Institution | 新潟県立大学 |
Principal Investigator |
荒木 和華子 新潟県立大学, 国際地域学部, 助教 (90581778)
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Keywords | 解放民教育 / ペン学校 / ロバート・スモールズ / 公教育制度 / アメリカ南部史 / 奴隷解放 / 再建期 / サウスカロライナ州ビューフォート郡 |
Research Abstract |
前年度は、研究目的とした元奴隷の学校であるペン解放民学校と公教育の関わりと、この学校を政治活動の母体とした黒人議員ロバート・スモールズによる教育政策の検証を行い、その成果を英語論文として『19世紀学研究』において発表することができた。最終年度は、研究テーマをさらに深く掘り下げて、「トニ・モリスンによるビラヴドにおける奴隷制の『真実』と奴隷の『亡霊』」や「南アフリカ共和国における米国南部黒人学校の移植をめぐるポストコロニアル研究」、「20世紀初頭の米国南部ペン学校の南アフリカにおける受容:農村地域のモデル学校として」などのタイトルで研究会で報告を行い、研究ノート「南アフリカ共和国における米国南部黒人学校の移植をめぐるポストコロニアル研究のためのノート:「ソフトな帝国主義」の背景」を『国際地域研究論集』に掲載することができた。ペン学校を通して、黒人(解放奴隷)教育とより広い文脈における「政治」との交錯について考察した結果、米国内部だけではなく、他国(特に南アフリカ)における教育との接点が明らかとなってきたので、今後は米国の帝国主義における黒人教育の役割について検証していく予定である。
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