2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23720369
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
北 美幸 北九州市立大学, 外国語学部, 准教授 (80347674)
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Keywords | アメリカ史 / 公民権運動 / ユダヤ人 / エスニシティ / 黒人 |
Research Abstract |
本研究は、アメリカ・ユダヤ人の公民権運動への関わりを検証することで、合衆国における平等の実現が、黒人以外によっても担われていたこと、また、公民権運動が「多様」な側面を持つものであることを指摘しようとするものである。申請者はこれまで、反ユダヤ 主義に苦しんだユダヤ人たちがアメリカにおいても差別撤廃運動を展開したこと、そしてその運動が他のマイノリティも含めて全ての人々の「平等」を訴えるものであったことを、専ら高等教育の分野に関してではあるが、明らかにしてきた。したがって、申請者は、ユダヤ人のこういったリベラルな思想の傾向は教育以外の分野にも該当する可能性が高いという仮説を得ている。これを本研究により分析・検証したい。 本研究は、以下のように研究課題を区分した上で進める。 課題① 社会経済的差別に対するユダヤ人の対応に関する研究 課題② 人種隔離制度およびその廃止の徹底に向けてのユダヤ人の活動に関する研究 平成24年度には、特に1.課題①の活字化に向けて編集者との最終調整中、2.課題②に関し、ユダヤ人の元・公民権運動活動家とのコンタクト(インタビューの承諾および当時の日記や写真の発掘)、3.課題①および②に関し、隣接諸分野の研究者との交流、研究打ち合わせ、により研究の深化を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中の具体的な研究課題として、公民権運動に参加したユダヤ人(活動家・当時の大学生など)へのインタビューを計画している。1960年代前半、バス車内やターミナルにおける人種統合の徹底を求める運動や黒人の選挙権登録運動に参加した白人には、大学生 など若者が多かったと言われているが、従来、そのエスニシティまでは明らかでなかった。 平成24年度には、米国ニューヨーク市およびウォルサム市(マサチューセッツ州)にて、研究者より参考文献・史料等の紹介を受けることができたほか、具体的にインタビュー対象者とコンタクトを取ることができた。そのほかにも、世俗的ユダヤ人大学であるブランダイス大学(マサチューセッツ州)大学史編纂室に、卒業生から当時の日記や写真の寄贈があったことが明らかになり、史料使用の許諾を得た。同大学は、1948年の開学当初より黒人学生を受け入れ、「リベラルの旗手」を自任していたことから、申請者が平成19~ 21年に同大学大学史編纂室にて当時の学生新聞を閲覧したところ、同大学学生の参加が確認されていた。また、6月にブランダイス大学同窓会ににおいて参与観察を行い、同窓生にインタビューを行ったほか、資料の提供をうけることができた。また、この間の経緯について、平成25年2月にはミシガン大学において研究発表を行い、本研究の期間中途での成果について研究者の意見を仰ぐことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年9月末まで、本務校(北九州市立大学)を離れ、アメリカ合衆国に滞在して研究を行う予定である。授業や大学運営業務の負担がない分、その間、実質的にエフォート率をほぼ100%まで上げることが可能である。そのため、平成24年度より、研究費の配分を変更を行い、研究にあたってきた。特に、通常は授業期間中のために参加できない米国内での学会・研究集会への参加が可能となるため、研究者との交流および研究への助言を得ることが可能になる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、通年、本務校(北九州市立大学)を離れ、アメリカ合衆国に滞在して研究することが可能となったため、当初の交付予定額は900,000円であったが、平成25年度分より600,000円を前倒しした。交付額を増額し、資料収集や学会・研究会への参加、資料収集のための旅費、通信運搬費、資料複写代、消耗品費(資料整理用文房具)、文献代等に充てた。 平成25年度は、本研究の最終年度であるため前倒し等は不可能であるが、4月~9月末まで本務校(北九州市立大学)の予算でアメリカ合衆国に滞在して研究を行うため、その間の資料収集・研究の成果発表のための旅費が、日本~アメリカ合衆国間の海外旅費でなく、より安価なアメリカ国内の旅費で済むこととなる。したがって、本年度の額は減額されても研究目的は十分に達成できると考えている。
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Research Products
(2 results)