2014 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯島嶼における環境適応的技術に基づく自律的な地域農業の実現に向けた研究
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23720401
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
新井 祥穂 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (40345062)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 沖縄農業構造 / 地域労働市場 / 農地移動 / 農法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,宮古地域における農業構造調査の結果(不安定化する農外就業状況のもとで農業中間層の堆積が進む)を,農業問題研究学会にて発表した(新井・永田,学会発表2件).また宮古地域にて補足的な現地調査を行い,昨年の課題として残されていた農地移動に関する包括的なデータについても農業委員会から得,農業還流と表裏の関係にある活発化する農地取引のデータを得た. また,沖縄本島南部の園芸地域(レタス生産地域)において現地調査を行った結果,農外就業で恵まれた本島においてすら雇用状況の悪化に伴い農業への労働力還流が生じていること,一方で経営内部においては亜熱帯の気候に調和的な農法を目指し,多様な流通選択を通じて価格達成を目指していることを確認した.
研究期間全体を通じて,申請時の課題であった,亜熱帯環境・沖縄における環境適応的技術の現段階を捉えることができた.この成果を2000年代の政策展開および農業構造変化とともにまとめ刊行した(新井・永田 2013『復帰後の沖縄農業』農林統計協会).これらに加えて本研究では,現地での集落悉皆調査をもとに,①地域労働市場視角からの沖縄農業構造分析,という,従来の沖縄農業研究になかった方法論的立場から分析を行い,その有効性を確認した.②あわせて,農業構造変動の基礎であり結果でもある農地の保有について,平成合併前の1町の全農地移動データをもとに,その動向を確認した.これにより,1980年代以来の研究空白を埋める作業に踏みだしたことになる.
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Research Products
(6 results)