2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23720413
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Research Institution | Kyushu International University |
Principal Investigator |
山本 健太 九州国際大学, 経済学部, 助教 (40598190)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 演劇 / 大都市 / 東京 / 消費空間 / 観劇者 / 文化産業 / 集積 / 地理 |
Research Abstract |
本研究の目的は,大都市における文化的生産物と,それに付随する空間的特性を生産の側面のみならず,消費の側面からも捉えることにある.これは,ある種の文化産業が大都市に集積するという現象を,消費の側面から明らかにすることを意味する.そこで,大都市型の文化産業である小劇場演劇を対象として,1980年代以降の当該演劇の東京における空間分布に注目し,大都市内部に形成されている文化の消費空間の構造とその変化についても分析を加える. 上述した目的のもとで,本年は,以下の4項目について調査し,有効な成果を得た.(1)既存研究の踏査,(2)演劇雑誌およびポータルサイトの情報をもとに,1980,90,2000,2010年の一都三県(東京,埼玉,千葉,神奈川)における劇場と演劇公演の時空間(時間,空間)分布を描いた.計画の上では,5年単位での空間把握であったが,5年毎では明確な変化がみられなかった.また,基礎資料の運営形態の変化(掲載料の有料化)による収録データの変化に対応するため,2006年開設のポータルサイトの情報を利用した.このような状況を勘案し,10年毎に空間分布を描くこととした.(3)現在の小劇場演劇の状況と劇団運営と東京立地について知るために,代表的な劇団および雑誌社編集長を対象とした聞き取り調査を実施した.ここでは,東京で活動する主体(劇団)のみならず,地方を拠点に活動する主体についても,聞き取りし,東京における活動の優位性について確認した.(4)協力の得られた演劇関係者を通じて,観劇者を対象としたアンケート調査を実施した.調査の過程で,調査協力者の積極的な働きかけにより,当初交渉に困難すると考えられ,次年度に予定していたアンケート調査を前倒して実施できた.アンケート調査は,観劇者の行動特性を描くために不可避のものであり,集計結果からは,具体的な消費空間を析出することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年の研究は,想定以上に進展している.まず,本年の計画は,(1)先行研究の踏査を進めるとともに,(2)既存の統計資料や報告書等の情報に基づいて,東京に立地する劇場と劇団の全体像を把握する.(3)その後,それら劇場を運営する企業,団体のほか,劇場で活動する劇団への聞き取り調査によって,これを補完し,体系化に努める,である.これは本年の比較的早い段階で到達した.また,これと並行する形で,適当な劇団,エージェントと交渉を進め,聞き取り調査および観劇者を対象としたアンケート調査を実施することができた.これらの成果の一部はすでに,11月に開催された国際学会,3月に開催された全国学会において発表している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,現在のペースを維持し,当初の計画を全うする.そこで以下3点が研究推進方策となろう.(1)アンケート調査を継続することで,サンプル数を増やし,データの代表性を高める.(2)必要に応じて,劇団やエージェントへの聞き取り調査も実施する.(3)研究成果は国内外の学会で積極的に公表していく.なお,次年度使用額は,国際学会参加時の為替変動,調査協力者の積極的な協力による調査費用の軽減等によるものである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度となる次年度は,調査を継続しつつも,研究成果の積極的な公表が求められる.調査,研究においては,劇団やエージェントへの聞き取り調査のほか,エージェントを通じて観劇者を対象としたアンケート調査を継続していく. 研究成果の公表については,8月に開催される国際学会において発表を予定している.また,2013年3月末刊行の学術雑誌へ論文を投稿するため,準備を進めている. なお,次年度使用する予定どの研究費については,(1)当初購入予定であった情報機器の購入を次年度にずらしたことによる,(2)当初予定していた出張の日程が変更されたことによるものである.
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Research Products
(3 results)