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2011 Fiscal Year Research-status Report

成熟産業地域におけるイノベーション創出による地域再生:進化経済地理学の視点から

Research Project

Project/Area Number 23720414
Research InstitutionNational Institute of Science and Technology Policy

Principal Investigator

外枦保 大介  文部科学省科学技術政策研究所, 第3調査研究グループ, 研究員 (70581669)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords経済地理学 / 進化経済学 / 経路依存性 / イノベーション / 産学連携
Research Abstract

今日、先進諸国では、成熟産業地域における地域再生として、産学官連携によるイノベーション創出が注目されている。本研究の目的は、進化経済地理学の視点から、成熟産業地域における、イノベーション創出による地域再生メカニズムを解明することである。平成23年度は、(1)方法論的枠組構築のために、進化経済地理学の理論的成果とその課題の解明を目指す「理論研究」と、(2)産学官連携によるイノベーション創出を促進・抑制させた要因を分析する「国内地域におけるフィールドワーク」を実施した。(1)に関しては、方法論的枠組構築のために、理論的研究として、進化経済地理学の主要業績のレビューを行い、進化経済地理学の議論動向と研究課題を抽出した。これら欧米の研究成果をレビューするだけではなく、進化論的なアイディアを含んだ国内外の既存研究について再検討し、進化経済地理学の動向を批判的に検討した。理論研究の成果は、学会誌「地理学評論」85巻1号に掲載された。(2)に関しては、成熟した産業地域をケーススタディとして、地域再生メカニズムを明らかにするために、産学官連携によるイノベーション創出の実態解明を進めた。室蘭工業大学等との産学連携を進めている北海道室蘭市や、名古屋工業大学等との産学連携を進めている岐阜県東濃地域において調査を行った。イノベーション創出に対する産業地域の企業、大学、地方自治体等の行動とその背景に焦点を当てて、インタビュー調査・文献調査・データ分析を行った。フィールドワークの成果は、次年度以降、学会で発表する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

理論研究、国内地域におけるフィールドワークともに、当初計画通り進展した。理論研究では、進化経済地理学の主要業績のレビューを行い、進化経済地理学の議論動向と研究課題を抽出した。理論研究の成果は、学会誌「地理学評論」85巻1号に掲載された。国内地域におけるフィールドワークでは、北海道室蘭市および岐阜県東濃地域において調査を行った。イノベーション創出に対する産業地域の企業、大学、地方自治体等の行動とその背景に焦点を当てて、インタビュー調査・文献調査・データ分析を行った。フィールドワークの成果は、データ・論点を取りまとめた上で、次年度以降、学会発表や論文執筆を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

理論研究では、複雑系経済学や進化生物学のほかに、比較制度分析や制度派経済学についても理解を深め、進化に関わる理論・概念の経済地理学への適用可能性を探る。また、地域における企業の組織ルーティン、レジリアンス概念を検討し、地域経済の進化メカニズムにとって遺伝子となってきたものの把握を、定性的・定量的に実施する。フィールドワーク調査では、平成23年度の研究成果をふまえて、海外研究と国内研究を実施する。(1)平成24年度の海外研究は、ドイツにおいて調査を行う計画である。成熟産業地域においてイノベーション再生による地域再生が進展している地域を、文献や統計分析、種々の情報収集により入念に選択した上で、聞き取り調査を実施する。(2)平成24年度の国内研究では、地域イノベーションシステムにとって重要な産学連携の地域特性に関わる調査・分析を進めるとともに、地域経済の進化にとって重要な企業の組織ルーティンを、企業文化や企業内物的インフラの観点から考察する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

理論研究では、進化経済学、複雑系経済学、進化生物学、比較制度分析、制度派経済学に関する文献を購入し、進化経済地理学、地域イノベーションシステムの文献精読を精力的に進める。フィールドワーク調査では、海外および国内調査の事前準備に必要な文献・統計データ類を購入するとともに、海外および国内調査の旅費を執行する。これらとあわせて理論研究・フィールドワーク調査に必要なコンピュータ機材の購入も実施する。研究の進展においては、国内外の研究者との情報収集が必要であるとともに、昨年度・今年度の研究成果を発表するため、国内外の学会に積極的に参加したいと考えている。そのための学会出張旅費も執行する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 進化経済地理学の発展経路と可能性2012

    • Author(s)
      外枦保大介
    • Journal Title

      地理学評論

      Volume: 85 Pages: 40-57

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 企業城下町中核企業の事業再構築と地方自治体・下請企業の対応 ―神奈川県南足柄市を事例として―2012

    • Author(s)
      外枦保大介
    • Journal Title

      経済地理学年報

      Volume: 58 Pages: 1-16

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 産業集積地域における地域イノベーション2012

    • Author(s)
      外枦保大介
    • Organizer
      日本地理学会 春季学術大会
    • Place of Presentation
      首都大学東京
    • Year and Date
      2012年3月29日
  • [Presentation] 産業集積地域における産学官連携の進展と地方自治体・大学の役割―新潟県燕・三条地域,長岡地域を事例として―2011

    • Author(s)
      外枦保大介
    • Organizer
      日本地理学会 秋季学術大会
    • Place of Presentation
      大分大学
    • Year and Date
      2011年9月23日
  • [Presentation] 工業都市北九州市における地域イノベーション・システムの構築と産学官の取組2011

    • Author(s)
      外枦保大介
    • Organizer
      研究・技術計画学会 第26回年次学術大会
    • Place of Presentation
      山口大学
    • Year and Date
      2011年10月16日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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