2011 Fiscal Year Research-status Report
フィリピンにおけるグローバル化と労働の人類学的研究:無職者と海外出稼ぎの事例から
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23720423
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
東 賢太朗 名古屋大学, 文学研究科, 准教授 (40438320)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 労働 / 国際移動 / グローバル化 / 文化人類学 / フィリピン |
Research Abstract |
本研究の目的は、現代フィリピン社会における(a)「無職者」と(b)「海外出稼ぎ」の相関関係についての事例から、グローバル化に起因する労働と貧困の問題に対する、ローカルな認識と実践による対処の仕組みを実証的に解明することである。 (a)フィリピンの首都、地方都市、地方村落における各年齢層の無職者について実証データ収集を行い、無職者がどのような経緯で無職状態に至ったのか、現在どのようにして生計を成立させているのか、地縁や血縁による扶助があるのか、そして無職者の多くが希望する海外出稼ぎも含めた将来の構想について明らかにする。 (b)フィリピン国内に居住する海外出稼ぎ経験者と予備軍、またフィリピン国外の現役の海外出稼ぎ者について実証データ収集を行い。海外に出稼ぎする経緯、出稼ぎ中の生活状況、地縁や血縁を通じた経済的扶助の状況、海外出稼ぎ後の将来の生活の構想について明らかにする。 平成23年度は、フィリピン、名古屋、ソウル、シンガポール、バンコクにおいて、フィールドワークを実施した。具体的な内容は、(a)無職者と(b)海外出稼ぎについて、ライフヒストリー、現在の状況、親族集団や地域共同体における社会的な関係に関する実証データ収集である。 また日本国内ではフィールドワークと並行して、「グローバル化」、「労働と貧困」、「国際移動」の各トピックについて、人類学と社会学を中心に、政治学や経済学、哲学・現代思想など隣接領域も含め国内外の研究を渉猟し、本研究の分析の枠組みを整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である平成23年度は、当初の予定通り名古屋、ソウル、シンガポール、バンコクにおいて海外出稼ぎについてのフィールドワークを実施した。加え、フィリピンにおいて無職者についてのフィールドワークも実施することができた。一方、予定に含まれていた北米地域での海外出稼ぎについてのフィールドワークは、インフォーマントと調査スケジュールの関係上、24年度に行うこととした。分析枠組みの整備についても、文献資料の検討を行い、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、北米地域での海外出稼ぎについてのフィールドワークを実施し、アジア地域との比較を行う。またフィリピン国内での無職者についてのフィールドワークを継続する。また、引き続き「グローバル化」、「労働と貧困」、「国際移動」の各トピックについて文献研究を継続する。加え、フィリピンの労働についての資料・統計を収集し、実証データと併用しながら、グローバルな移動労働とローカルな労働問題の相互関係についての考察を深める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当せず。
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Research Products
(2 results)