2013 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピンにおけるグローバル化と労働の人類学的研究:無職者と海外出稼ぎの事例から
Project/Area Number |
23720423
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
東 賢太朗 名古屋大学, 文学研究科, 准教授 (40438320)
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Keywords | 労働 / 国際移動 / グローバル化 / 文化人類学 / フィリピン |
Research Abstract |
本研究の目的は、現代フィリピン社会における(a)「無職者」と(b)「海外出稼ぎ」の相関関係についての事例から、グローバル化に起因する労働と貧困の問題に対する、ローカルな認識と実践による対処の仕組みを実証的に解明することである。 (a)フィリピンの首都、地方都市、地方村落における各年齢層の無職者について実証データ収集を行い、無職者がどのような経緯で無職状態に至ったのか、現在どのようにして生計を成立させているのか、地縁や血縁による扶助があるのか、そして無職者の多くが希望する海外出稼ぎも含めた将来の構想について明らかにする。 (b)フィリピン国内に居住する海外出稼ぎ経験者と予備軍、またフィリピン国外の現役の海外出稼ぎ者について実証データ収集を行い。海外に出稼ぎする経緯、出稼ぎ中の生活状況、地縁や血縁を通じた経済的扶助の状況、海外出稼ぎ後の将来の生活の構想について明らかにする。 平成25年度は、フィリピン、香港、名古屋、バンコクにおいて、フィールドワークを実施した。具体的な内容は、(a)無職者と(b)海外出稼ぎについて、ライフヒストリー、現在の状況、親族集団や地域共同体における社会的な関係に関する実証データ収集である。 また日本国内ではフィールドワークと並行して、これまで文献研究により構築した枠組みに依拠し、「グローバル化」、「労働と貧困」、「国際移動」について総合的な分析と考察を行った。
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