2013 Fiscal Year Annual Research Report
在米メキシコ人移民の“旅的”生活形態と送り出し社会の都市化に関する学際的取組
Project/Area Number |
23720431
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
牧野 冬生 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 助教 (50434387)
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Keywords | 墨米移民 / 移民住居 / 一時帰省 / 都市 / マイグレーション |
Research Abstract |
平成25年度は、本研究計画の最終年度にあたり「移民の継続的な移動を中心とした居住形態」「一時帰省に関わる移民住居建設と都市の変容」「マイグレーション・シティに関する理論化と考察」の各テーマのまとめを実施した。また、平成25年9月にメキシコ・ハロストティトランにおいてフィールドワークを行い、最終報告書の作成において補完すべき資料を収集し、またインフォーマントへ追加インタビューを実施した。平成26年3月に米国応用人類学会で研究成果の一部を発表した。今後、本研究成果をまとめた書籍の刊行を予定している。 本研究で設定した3つのテーマに関して、3年間にわたりメキシコでの現地フィールド調査を実施してきたが、数十年の単位で変化してきた移民と都市形成の関係を把握することができたのに追加して、連続した調査によって近年の急激な移民形態と都市の変化にも敏感に対応することができた。この点は、研究課題の精査と今後の研究発展において非常に大きな意味を持つ。 本研究の目的である『墨米移民の頻繁で継続的な故郷への帰省を伴う“旅的”生活形態』の把握については、一時帰省に関わる住民への継続的なインタビューとハロストティトランにおけるインテンシブな踏査調査によって、そのプロセスを明らかに出来たと考えている。また、現在の「移動」を伴うメキシコ地方都市の生活形態を、歴史的な都市(セントロ)と農村(ランチョ)の“移動生活”とリンクさせることで、「マイグレーション・シティ」を形成する下地が社会に存在していたことを新たに指摘することが出来た。以上の点から、本研究目的を十分に達成できたと考えている。
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