2013 Fiscal Year Annual Research Report
大正期の司法官・裁判職員の実体的研究(『官員録・職員録』のデータ化とその分析)
Project/Area Number |
23730004
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田中 亜紀子 三重大学, 人文学部, 准教授 (90437096)
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Keywords | 司法史 / 大正期の法曹 |
Research Abstract |
本研究の目的は、『官員録・職員録集成 105巻~121巻(大正)』に収録されている司法省ならびに裁判所職員のデータベースを完成させること。そして、当該データベースの分析や大正期における法曹に関する資料に基づき、該当時期の判事および検事を中心とする裁判所職員の動態を明らかにするものである。 本研究の主たる成果であるデータベースに関しては、大正2年(6,327名)から大正15年(8,906名)までの10万人程度の司法職員(判事、検事、書記、執達吏)の氏名を中心とするデータベースが完成した。当該データベースは、申請者の個人ウェブサイトに掲載し、希望者がダウンロードできるようにしている。このデータベースに関しては、入力後、入力者とは別の人物による確認作業を行ったが、入力者により表記方法が異なる箇所(異体字、旧字と新字の統一が不十分であることなど)や、印刷物の汚れなどによる文字の判読が困難な箇所などがあり、今後さらに時間をかけて精度の高いものにする必要があり、それらは残された今後の課題である。また、利用者の便宜を考え、最終的には個人サイトから所属機関のサイトへの掲載を行うことを検討している。 また、データに基づいて明らかにすることができることとしては、大正2年、司法大臣は、全国で128の区裁判所を廃止するとともに、判事及び検事中232人に休職を命じることができるようになったが、今回のデータ作成作業において具体的にどの裁判所(地方裁判所、出張所、区裁判所、出張所)のどの判事ないし検事が削減対象となったのか、そして、その後どの裁判所の人員が新たに補充されたのかということ、この他、大正期の判事・検事それぞれの異動状況の実態等があるが、それらについては、入力済データの加工、追加資料の分析を行った上で、今後その成果を公開する予定である。
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Research Products
(1 results)