2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
赤坂 幸一 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (90362011)
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Keywords | 議会法 / 議会先例 / 憲法 / 憲法史 / 比較憲法 |
Research Abstract |
本研究は、(1)議会両院の事務局が所蔵する議会先例等に係る未公開資料群、および国会法・議院規則の立案過程に関わる未公開資料群を活用することによって、(2)従来全く未解明の状態におかれてきた、衆議院事務局による先例集(議会先例)の形成・運用過程を解明することを目的とするとともに、併せて、(3)国会法・議院規則の制定・運用の在り方を明らかにすることを通じて,我が国の議会法・議事法が内包する特質・問題状況を明らかにすることを、主たる目的とするものである。 そのための具体的な方法として、第一に、憲法学・議会(法)学・政治学の隣接領域に位置する議会先例・憲法体制などの形成運用過程につき、未公開資料群に基づいたあらたな実証的・歴史的なアプローチを試みるとともに、第二に、いわゆるオーラル・ヒストリー・メソッドを駆使することによって、実務経験と学問的分析の架橋を図り、議会先例や議会慣習の形成主体の在り方にも研究の焦点を当てることを図り、第三に、研究の過程で発見・整理した重要資料を、広く一般に公開して、今後の議会政治史学や憲政史学の学術的基盤を強化することを試みた。 第一点・第三点については、レヴァイアサン誌に議会先例の形成過程を扱った「統治システムの運用の記憶」を公表したほか、資料集として共編著『議院規則に関する書類』を公刊し、第二点についても、近藤政治、今野彧男、谷福丸、指宿清秀各氏のオーラルヒストリー報告書・一般刊行書を公表した。その他にも参議院制度の在り方や、憲政秩序における議会官僚の在り方など、関連する論稿を公表している。
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