2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730042
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
前田 直子 京都女子大学, 法学部, 講師 (80353514)
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Keywords | 国際人権法 / 国際人権条約 |
Research Abstract |
欧州人権条約体制の下では、パイロット判決手続の導入や、欧州評議会閣僚委員会および欧州人権裁判所による、欧州人権裁判所判決の履行監視が一層強化されている。閣僚委員会による判決履行についての審査状況や締約国との協議状況を、決議などの資料をもとに検討した結果、欧州人権条約締約国は、人権裁判所判決により指示された一般的救済の国内的履行に最大限の努力を払っていることが明らかになった。 しかし締約国が一般的救済を、国家責任法からの帰結として位置づけているとは結論づけられず、人権裁判所および欧州評議会閣僚委員会との間の、協力・(むしろ)緊張関係に基づく状況であると思料する。 他方、国連人権諸条約下での一般的救済については、人権条約体の勧告に対する締約国の対応にかなりの温度差がある。現時点では、国家の一般的救済確保義務は、何らかの共通の法的根拠を伴うものというよりは、判決(決定)の法的拘束力の有無、そしてその判決(決定)履行を強制化する機関の存在に依ると考察した。
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