2012 Fiscal Year Research-status Report
東アジアにおける国際私法の新たな展開と調和の可能性に関する研究
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23730048
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
黄 ジンテイ 帝塚山大学, 法学部, 准教授 (50372636)
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Keywords | 東アジア / 国際私法 / 調和 |
Research Abstract |
東アジア地域における国際私法の改正を考察し、それぞれの国・地域の国際私法の特徴を解明、分析することを通じて、東アジアにおける国際私法調和の可能性を探求し、具体的な提案を示すという本研究の目的に向けて、平成24年度は前年度において行った資料調査を引き続き行う一方、中国国際私法に関する考察を重点的に行った。 具体的には、日本、韓国と台湾の国際私法に関する資料調査を継続的に行う一方、中国については、現地の研究者と実務家の協力を得ながら、現地調査、文献の収集、専門家との意見交換を通じて、資料収集を行った。こうした調査を通じて収集した資料を分析し、その成果として、中国の国際親族法を考察する論文を完成した(「中国国際親族法に関する一考察」帝塚山法学24号に掲載予定)。同論文では、親族法全体の適用に関連する中国国際私法の総論的諸問題を考察したうえ、日本への影響等という視点も入れて同法の親族法部分の各規定を逐条的に分析し、その立法趣旨と解釈問題を考察した。また、中国の国際財産法の諸規定についても、東アジア地域の国際私法を含めた比較法的観点から考察する論考の執筆を開始した。 これらの研究を通じて、日本と中国の国際私法を軸足としながら、東アジア地域の各国際私法の相互の共通性と相違性、さらには同地域の国際私法の特徴を解明することができ、東アジアにおける国際私法の調和の実現に向けた課題を浮き彫りにすることができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が対象とする日本、中国、韓国、台湾における国際私法について、それぞれに対する資料調査が当初の研究計画どおりに進んでおり、ほぼ完了している。また、調査結果に対する分析とりわけ中国国際私法に関する考察が順調に進んでおり、国際親族法部分の執筆が完了し、国際財産法部分の諸規定についても、比較法的観点から検討を進め、論文の執筆を開始している。 これらの中間的な成果を踏まえて、研究の最終目的を達成するための基礎を築くことができたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、これまでの調査成果の分析を進め、前年度に行った中国国際私法の親族法部分の考察に続けて、まず中国国際私法の財産法部分の逐条解説を完成し、その比較法的な位置づけを明らかにする。そのうえ、同法と日本をはじめとする東アジア地域の各国際私法との比較を通じて、東アジア地域における国際私法の類似性と相違性を析出する。最終的には、国際私法の調和を実現するための提言・方策を具体化し、その成果を国内外の学会等で発表し、そこで得た意見をもとに本研究の最終成果をまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として、文献研究のために国際私法関係図書一式を購入するための費用、資料処理のためのパソコンソフト・パソコン付属品、文房具類を購入するための費用を計上している。 旅費として、国内外で資料調査、意見交換、成果発表を行うための費用を計上している。 謝金として、資料整理等のためにアルバイトを雇用するための費用を計上している。
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Research Products
(5 results)