2013 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける国際私法の新たな展開と調和の可能性に関する研究
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23730048
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
黄 ジンテイ 帝塚山大学, 法学部, 准教授 (50372636)
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Keywords | 東アジア / 国際私法 / 調和 / 中国法 |
Research Abstract |
東アジアにおける国際私法の改正を考察し、各国の国際私法の特徴を解明、分析することを通じて、東アジアにおける国際私法調和の可能性を探求し、具体的な提案を示すという本研究の目的に向けて、平成25年度は当初の研究計画どおりに、研究成果の取りまとめを行った。 具体的には、引き続き現地調査、文献の収集、専門家との意見交換などを通じて資料を収集し、その成果をもとに、日本法との比較という視点に立ちつつ、中国国際私法の親族法部分と物権部分をそれぞれ逐条的に分析し、その立法趣旨と解釈問題を考察した論考を公表した(「中国国際親族法に関する一考察」帝塚山法学24号、「中国国際私法物権部分の解説」同25号)。また、日中韓の国際親族法を比較研究した学会報告を行った(Recent Developments in the Area of International Family Law in East Asia: Focus on International Divorce and Child Abduction 国際法学会2013年度研究大会)。報告では、日韓と中国との間で国際私法の親族部分の調和が困難であると指摘したうえ、国際民事訴訟法の視点も含めて検討すれば、婚姻と協議離婚については不均衡な身分関係が生じるおそれが少ない一方、相互承認が困難な裁判離婚については、国際裁判管轄の共通化、相互の保証要件の緩和を目指す必要性を唱え、また、ハーグ子奪取条約が中国の実務に親和的であり、中国が条約加入を検討すべき旨主張した。
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