2013 Fiscal Year Annual Research Report
国際刑事司法における正当性・民主的正統性の指標に関する実証的研究
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23730049
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
竹村 仁美 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (10509904)
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Keywords | 正当性 / 正統性 / 民主的正統性 / 国際刑事司法 / 国際刑事法 / 国際刑事裁判所 / カンボジア特別法廷 |
Research Abstract |
本研究「国際刑事司法における正当性・民主的正統性の指標に関する実証的研究」の目的は、国際刑事司法制度を国際社会が正当なものと受け入れる指標、またその民主的正統性の評価を明らかにすることによって、国際刑事法の法的安定性の一層の強化に貢献をすることであった。具体的には、①国際刑事司法制度の正当性・民主的正統性の指標、②国際刑事司法における検察官の裁量の行使とその統制の可能性、③終焉していく国際刑事法廷・混合法廷の遺産の検証と常設国際刑事裁判所への示唆の3つの課題に取り組んだ。最終年度である平成25年度は、本来、研究年度の初期に行うべきであった「正当性と正統性」の意義の相違に関して資料読解に時間を割いた。この結果、最終年度に実施した研究の成果の一部として、国際法学会の学会誌である国際法外交雑誌に、英語の研究ノート、Hitomi Takemura,‘An Analysis of Legitimacy Discourses in International Criminal Justice through Comparative Research on the ICC and the ECCC’国際法外交雑誌第112巻第1号(2013年5月)pp.56-79を掲載した。 他にも、平成25年度には、国際刑事司法の正統性の指標の一つに実効性があるとの本研究の考察結果に基づき、正統性の研究と関連して、実効性の指標の明確化という研究作業に着手した。今のところ国際刑事裁判所、国際刑事法廷の正統性と実効性の連関は必ずしも自明ではなく、実効性の指標についても合意が存在しない。そこで、2013年12月には、「国際刑事裁判所の10年―国際刑事裁判の実効性の指標の明確化―」と題して、第162回九州国際法学会例会において報告の機会を頂いて活発な質疑応答を通じ実効性の指標の細分化・分類化などの視座を得た。
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