2011 Fiscal Year Research-status Report
裁判員裁判の量刑判断に関する数量化モデルの基礎的研究
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23730069
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
柴田 守 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 助教 (90551987)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 量刑 / 裁判員裁判 / 数量化 |
Research Abstract |
1.統計学の進展に基づくより信頼性のある量刑の数量化方法の開発 刑事法学、統計学、情報科学などの文献を収集して、新たな量刑の数量化方法の分析・検討を行った。特に、ベイズ理論や機械学習の知見を量刑の実証研究に応用できるかを視野に入れて検討した。2.裁判員裁判における量刑判断の基準と傾向に関する分析 裁判員裁判における量刑判断の基準と傾向を新たな量刑の数量化方法を用いて分析するため、調査資料となる裁判員裁判の判決書謄本の閲覧・収集の許可をある機関に申請したが、許可を得ることができなかった。そのため、他の機関に申請する調整を行っている。また同時に、判決書謄本の閲覧・収集ができなかった場合の代替的手段として、判例データベースによって裁判員裁判の判決をどの程度収集できるかを調べている。平成23年度中に予定していた過程をこなせていないために一部に多少の遅れもあるが、量刑の実証的研究に関する先行研究や、得られた裁判員裁判の判決をみて、調査票の作成にとりかかっており、おおむね順調に進行している。 また、裁判員裁判の量刑に関する文献や論文を収集し、先行研究においてどのような傾向が分析されいるのかを分析・検討した。先行研究では公的統計から分析・検討したものが多く、得られている結果の傾向性はおおよそ共通しているが、裁判員裁判の場合にどのような量刑の判断要素(量刑因子)が影響しているのかを実証的研究によって分析しているものは現在のところほとんどないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
裁判員裁判における量刑判断基準に関する実証的研究の調査資料となる裁判員裁判の判決書謄本の閲覧・収集の許可を、ある機関に申請したが、許可を得ることができなかったため、一部の研究過程に多少の遅れが生じている。だが、研究実績の概要に示したように、他の機関に申請するといった調整や代替的手段の検討を行っており、本研究の全体的な過程は順調に進展しているため、「おおむね順調に進展している。」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.統計学の進展に基づくより信頼性のある量刑の数量化方法の開発 これまでと同様に、刑事法学、統計学、情報科学などの文献を収集して、新たな量刑の数量化方法の分析・検討を行い、特に、ベイズ理論や機械学習の知見を量刑の実証研究に応用できるかを視野に入れて検討していく予定である。2.裁判員裁判における量刑判断の基準と傾向に関する分析 まず課題である調査資料となる裁判員裁判の判決書謄本の閲覧・収集を、平成24年度中に進展させる(平成24年度の上半期に、他の機関に申請する予定である)。調査資料が得られ次第、次の調査過程に移りたいと思う。また、裁判員裁判における量刑判断の傾向について、先行研究などから得られた知見を分析・検討した結果を発表していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度と同様に、国内外の刑事法学、統計学などの文献を収集や実証的研究を実施するために、設備備品費に平成24年度研究費の4割から5割程度を割り当てる予定である。 また、平成24年度は調査資料が入手でき次第、調査票への記入に移行することから、研究アシスタントへの謝金も平成24年度研究費の3割程度を割り当てる予定である。 本研究に関係する会議・会合への参加旅費に1割程度割り当て、調査資料の複写などに使用するその他費用については、(平成23年度の繰り越し分があるため)平成24年度研究費の1割程度を割り当てる予定である。
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