2013 Fiscal Year Annual Research Report
裁判員裁判の量刑判断に関する数量化モデルの基礎的研究
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23730069
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Research Institution | Nagasaki Institute of Applied Science |
Principal Investigator |
柴田 守 長崎総合科学大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90551987)
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Keywords | 量刑 / 裁判員裁判 / 数量化 |
Research Abstract |
1.統計学の進展に基づくより信頼性のある量刑の数量化方法の開発 平成25年度は、階層型ニューラルネットワーク(多層パーセプトロン)と、モンテカルロ法の1つであるブートストラップ法について、量刑の数量化方法への応用を試みた。階層型ニューラルネットワークによる判別は、隠れ層の設定により、より複雑なモデルを構築することができる(非線形データモデリング)。自己が保有する道路交通犯罪の量刑に関するローデータを使用して、先行研究で主に用いられてきた数量化理論による線形判別との比較による階層型ニューラルネットワークの有効性を検証した結果、誤判別率の低下が確認され、量刑の数量化においても当該方法が有効であることが検証された。また、階層型ニューラルネットワークについては、隠れ層のユニット数の決定が大きな課題である。この点について統計学では、情報量基準のバイアスを低減させる観点から、最尤法に基づく赤池情報量基準ではなく、ブートストラップ法が採用される傾向にある。量刑の数量化方法への応用においても、ブートストラップ法に基づく隠れ層のユニット数の決定が有効であることが確認された。 2.裁判員裁判における量刑判断の基準と傾向に関する分析 平成25年度は、新聞(全国紙)2紙の裁判員裁判に関する2009年から2013年2月末までの情報を収集し、研究アシスタントとともに、判決年月日、裁判所名、被告人名、主要な罪名、主文、求刑などのデータを整理した。 また、裁判員裁判(確定裁判)の判決書謄本の閲覧・謄写などを申請するべく、関係省庁に打診したが、事件番号等が特定できなかったことなどから許可を得ることができなかった。そこで、利用可能な判例データベースにアクセスし、判決内容を収集し、ローデータの集積を行った。
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