2013 Fiscal Year Annual Research Report
「利益・権利」実現のための情報取得~民事の実体法ルールと手続法ルールのあり方~
Project/Area Number |
23730094
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岩藤 美智子 岡山大学, 法務研究科, 教授 (70324564)
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Keywords | 情報開示義務 / デフォルト・ルール |
Research Abstract |
情報・機会・能力といった、いわゆるソフトな資産についても一種の財産権の割り当てによる分配・帰属を規律する機能を有する信認関係法理について考察を加えた。また、アメリカ法における被相続人の意思をふまえた遺産の承継を可能にする法技術としての遺言と信託とについて、情報の秘匿と流通(被相続人のプライバシー、相続人による遺産についての情報取得)という観点から制度比較を行い、我が国において、相続人による情報取得について、どのような規律を採用すべきであり、そのような規律は、どのような性質のもの(デフォルト・ルールか否か)として設定するのが妥当であるのかについて検討を行った。さらに、情報開示の要請と秘密保護の要請のジレンマを解消する方策の一つとして、イン・カメラ審理手続、及び、ドイツ法における中立の第三者(neutralen Dritten)への開示手続について検討を加えた。 研究成果の一部として、根保証契約における保証債権の被保証債権への随伴性の有無について、根抵当権の被担保債権への随伴性がない旨を定める民法398条の7第1項の規律が、強行規定として置かれている意義をふまえて、根保証については、随伴性を認める規律をデフォルト・ルールとすることを困難とする事情はないことを明らかにした、後掲論文を公表した。
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Research Products
(1 results)