2012 Fiscal Year Research-status Report
地域法教育サービスモデルの創造―「田川プロジェクト」
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23730121
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
久保山 力也 青山学院大学, 法務研究科, 非常勤講師 (00409723)
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Keywords | 法教育 / 地域社会 / ADR / 新領域法学 |
Research Abstract |
研究の目的は、法教育の方法と効果を検証し、「地域法教育サービスモデル」を構築することである。 具体的には、次の3点を焦点に据えている。①学校、教員へ法教育に関する量的・質的調査を行い、そのニーズについてのデータを得る。②法教育の具体化のため、司法書士と協働して実践教材・モデルを開発する。③地域社会における法教育の可能性について、福岡県田川市で、実践をもとにした検証を行う。 実績について、まず①については、福岡県教育委員会と直接協議の場を2度持ち、実施内容や時期について詳細な検討を行った。次に②については、すでに法教育教材『解釈のちから』を出版したほか、続く『相談のちから』と『提案のちから』についても作成段階にある。さらに③については、田川市教育委員会と2度にわたる協議の場を持ち、PTAへの説明や教員へのプレゼンなどについて理解を得られ、実施時期について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究については、おおむね順調といえる。その理由は第1に、法教育への取り組みが各所で十分に理解され、多くの支援を得られているということがある。また第2に、調査、教材開発、実践の3つの軸が研究プロジェクトでうまく融合し、すでに教材『解釈のちから』は十分全国で成果をあげているということがある。 他方、「おおむね」としたのは、それぞれの研究活動が、当初の目標よりも大きな成果をあげられそうになったため、より慎重かつ着実な方法をとり、結果として次年度に延長したためである。これは「遅れた」のではなく、より成長的、発展的な考えによるものであるが、この点は十分留意しなければならないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策について、まず「調査」については、文部科学省で平成24年に実施された法教育全国調査、平成22年に日本司法書士会連合会と久保山が行った法教育全国調査など既存の調査をあわせて検討し、調査票を再構成の上実施したい。あわせて、調査票の調査だけではなく、関係者へのヒアリングも追加したいと考えている。次に、「教材」については、『相談のちから』ならびに『提案のちから』の作成を進めたい。さらに「実践」については、すでに『解釈のちから』が全国で使用されており、最近では平成25年2月21日、東京四谷の日本司法書士会連合会で開催された「親子法律教室」(多数の市民が参加)にて、本教材が使用されている。こうした動きも加速させていきたい。あわせて田川市の関係機関ととも密接に連携していきながら、「地域法教育サービスモデル」を提案していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費については、大部分、調査と教材の作成に充てたいと考えている。
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