2012 Fiscal Year Research-status Report
自民党総裁選出過程の研究―2000年代の変化を中心に―
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23730142
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
上神 貴佳 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (30376628)
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Keywords | 政治学 / 現代日本政治論 / 選挙・政党研究 / 自民党 / 総裁選 |
Research Abstract |
平成24年度の当初計画では、(2) 総裁選出手続きの変容とその理由の解明、(3) 党員投票の構造分析を中心に進める予定であった。さらに前年度から継続して進めている、(1) 党内派閥の構成と支持状況の整理も必要である。これらの作業の進捗状況は、次のとおりである。 (1) については、『国会便覧』各号の収集を進め、90年代以降の版をおおよそ入手できた。また、90年代前半を除き、衆議院議員のプロフィールに関するデータの入力が終了した。このデータ・セットを用いて、自民党総裁と民主党代表のプロフィールの比較分析を行い、その成果は平成25年度中に刊行の予定である(上神貴佳「政権交代期における指導者像――自民党総裁と民主党代表のプロファイルとその変容」飯尾潤(編)『政権交代と政党政治』(叢書『日本政治外交史』)中央公論新社)。 (2) と (3) については、新聞記事の収集と整理を中心に進めている。変更点としては、 (3) の作業の中心を総裁選における議員の投票行動の特定に絞ることにした。その理由は、当初の予想に反して、新聞記事の丹念な収集によって議員の投票行動をかなりの程度まで明らかにできると分かったこと、議員の投票行動が判明すれば、派閥-議員-党員と連なる動員構造のどこが変容したのか特定できること、以上の二点を挙げられる。ただし、この作業はそれなりの負担を伴うものであるため、平成25年度も作業を進める必要がある。 そのほかの成果としては、平成23年度から進めていた理論的な側面の検討を踏まえ、その成果の一部が平成25年度中に刊行されることになった(上神貴佳『政党政治と不均一な選挙制度――国政・地方政治・党首選出過程』東京大学出版会)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」欄に記したとおり、昨年度から持ち越した議員データの収集と整理の作業に加えて、議員の投票行動の解明を追加したため、当初の計画より「やや遅れている」といわざるをえない。しかし、当初は平成25年度中に予定していた成果のとりまとめ作業を一部であるが前倒しして行うことができたので、計画全体ではそれほど大きな遅れにはならないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度と同様に、専門業者やリサーチ・アシスタントの積極的な活用により、データの収集と整理の効率化をはかる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は25年度への研究費の繰り越しが生じた。これが生じた経緯については、「研究実績の概要」欄に記したとおりである。 「平成25年度請求の研究費と合わせた使用計画」 25年度の当初計画は、(2) 総裁選出手続きの変容とその理由の解明、(3) 党員投票の構造分析、成果のとりまとめである。(3) については、議員の投票行動を探索することになり、当初計画よりデータの収集作業が増えたので、繰り越した研究費を充てたい。
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