2013 Fiscal Year Annual Research Report
自民党総裁選出過程の研究―2000年代の変化を中心に―
Project/Area Number |
23730142
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
上神 貴佳 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (30376628)
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Keywords | 政治学 / 現代日本政治論 / 政治制度 / 政党研究 / 自民党 / 総裁選 |
Research Abstract |
平成25年度の当初計画は、(2) 総裁選出手続きの変容とその理由の解明、(3) 党員投票の構造分析、成果のとりまとめである。(3) については、議員の投票行動を探索することになり、当初計画よりデータの収集作業が増えたので、昨年度より繰り越した研究費を充てた。 (2) については、(2-a) どのようなメカニズムで総裁選出過程の変容がもたらされるのか、(2-b) 総裁選出過程の変容がどのような影響をもたらすのか、これら2つに課題を分割した。 (2-a) 小選挙区制の導入による党首イメージの重要化と全党的な党首選出に対する関心の増大、中選挙区制の廃止に伴う系列関係を通じた組織動員の衰退と地方組織・党員の自主性拡大といった要因が党員投票の通例化をもたらした。『政党政治と不均一な選挙制度』(とくに第2部、2013年6月刊)に成果をとりまとめた。 (2-b) 2000年代以降、党員投票をつねに用いるようになった自民党では、より若く、当選回数が少なく、選挙区としては都市部よりの候補者が増えてきている。しかも、彼らは派閥のリーダーですらない場合が多い。党員投票が用いられる事例の少ない民主党と比べると、こうした特徴ははっきりとしている。「政権交代期における指導者像」飯尾編『政権交代と政党政治』(2013年10月刊)に成果をとりまとめた。 (3) については、2008年、2009年、2012年の各総裁選における衆議院議員の投票行動を調査し、最大8割強まで推定できた。この調査をパイロットとして位置付け、データ・セットを拡充させるため、平成26年度から新たな研究を開始している(基盤(C)「自民党総裁選出過程の変容とそのメカニズムの解明」26380173)。
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Research Products
(2 results)