2011 Fiscal Year Research-status Report
トランスナショナル市民社会による「オルターナティブな地域主義」の比較研究
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23730157
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
五十嵐 誠一 千葉大学, 法経学部, 講師 (60350451)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 欧州 / アジア / 地域主義 / 市民社会 |
Research Abstract |
今年度は、地域主義におけるトランスナショナル市民社会に関する理論分析・実証分析を進めた。欧州での現地調査を踏まえ、合理主義と省察主義の統合から新たな理論的地平の開拓を試み、五十嵐誠一「地域主義研究の新たな理論的地平―トランスナショナル市民社会の分析に向けた予備的考察―」『グローバル時代のマルチ・レベル・ガバナンス―EUと東アジアのサブリージョン比較(平成21~23年度科学研究費補助金基盤研究B研究成果報告書)』2012年3月、を公表した。 また、とくにアジアを事例に以下の研究成果も公表した。Seiichi Igarashi「The New Regional Order and Transnational Civil Society in Southeast Asia: Focusing on Alternative Regionalism from below in the Process of Building the ASEAN Community」『World Political Science Review』第7巻第1号、2011年9月、五十嵐誠一「東北アジアの新しい安全保障秩序とトランスナショナルな市民社会-批判的国際関係論の視座から」『北東アジア地域研究』(北東アジア学会)第17号、2011年10月、五十嵐誠一「東南アジアにおける移民労働とトランスナショナル市民社会-ASEANおよびGMSにおける関与の実態と課題―」『グローバル時代のマルチ・レベル・ガバナンス―EUと東アジアのサブリージョン比較(平成21~23年度科学研究費補助金基盤研究B研究成果報告書)』2012年3月。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の予定通り、今年度は欧州での現地調査を行った。オランダー、ベルギー、スイスにてトランスナショナルなネットワークを構築する市民団体および国際機関において指導者および関係者への聞き取り調査と一次資料・二次資料の収集を行った。 とくにオランダでは、世界各地でオルターナティブな地域主義を掲げるトランスナショナル市民社会ネットワークのハブとなる市民団体「トランスナショナル・インスティチュート」に訪問調査を行った。また、ベルギーとスイスでは、欧州でオルターナティブな地域主義、すなわち「もう一つの欧州(Another Europe)」を掲げる市民団体に訪問調査を行い、欧州でのトランスナショナル市民社会ネットワークの活動の実態とその方向性を詳しく把握した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の予定通りに、引き続きオルターナティブな地域主義にかかわる市民団体への聞き取り調査および一次資料・二次資料の収集に努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定通り、今年度は南北アメリカを中心に現地調査を行う予定であるが、次年度に調査を予定している南アジアの市民社会ネットワークが他の地域との連携を急速に進めていることから、南アジアを今年度、南北アメリカを次年度とすることなどの予定の変更を含めて調査日程の調整を行う。
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