2013 Fiscal Year Research-status Report
トランスナショナル市民社会による「オルターナティブな地域主義」の比較研究
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23730157
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
五十嵐 誠一 千葉大学, 法経学部, 講師 (60350451)
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Keywords | トランスナショナル市民社会 / 地域主義 / 新自由主義 / サブ・リージョナリズム |
Research Abstract |
3年目となる本年は南北アメリカにおいて「オルターナティブな地域主義」を掲げるトランスナショナル市民社会ネットワークの調査を行った。とくにアメリカとカナダに拠点を置く団体に焦点を当て、訪問調査を試みた。その結果、市民社会同士のネットワークだけでなく、地方自治体との協働関係が構築され、それも「オルターナティブな地域主義」の一部を構成しているという新たな知見を得た。また、前々年度の欧州の調査、前年度の南アジアの調査を踏まえつつ、比較地域主義に関する理論的分析を進め、日本国際政治学会の分科会において「サブ・リージョナリズムの国際政治理論」と題する学会報告を行った。加えて、批判的国際関係論の規範的立場から地域主義に関する思想的考察を行い「新自由主義グローバリゼーションと東アジア-トランスナショナル市民社会の視座から」と題する論考を完成させた。本稿は『新自由主義グローバリズムと近代世界システム』(作品社)の1章を構成し、近日出版が予定されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は南北アメリカの調査を行う予定となっていたが、南米の調査が時間的都合上十分に行えなかった。このため、関連する市民団体の指導者に連絡を取りながら、スカイプによるインタビュー調査等を適宜行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる4年目は、南部アフリカの現地調査を予定している。関連する組織や団体等によってはアポイントメントがとりにくいという状況が発生しやすい。メールのみならず電話もすることで、限られた滞在期間に確実に訪問できるように準備を進めたい。
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