2013 Fiscal Year Annual Research Report
大メコン圏における生活者の政治的行為と国家管理の研究
Project/Area Number |
23730172
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
峯田 史郎 早稲田大学, アジア研究機構, 招聘研究員 (70546316)
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Keywords | 拡大メコン圏 / メコン川 / 境界研究 / スケールの政治 |
Research Abstract |
最終年度では、メコン川流域境界地域に暮らす生活者による領域を管理に焦点を当て、周辺国家から、政治・経済・文化的影響を受けながらも、日常生活においては、重層的権力状況下で新たな生存戦略を模索する実態、およびサブリージョン形成と各アクターの地域認識に関する情報収集を目的として、下記の調査を実施した。また3年間の調査・研究で得た知見の成果報告として、研究学会にて2度報告した。総じて、地域認識としての拡大メコン圏は、現時段階で象徴的メカニズムであるものの、唯一ではなく地理的に隣接する地域における他メカニズムとの関係性の中で成立していることが理解できた。 (1)ミャンマー北東部に位置するシャン州に居住する少数民族村にて、メコン流域開発に影響された社会変化についての聞き取り・観察を、昨年度に引き続き実施した。ミャンマー政府との停戦協定の後、特に周辺の諸アクターからの支援を受けており、前年と比べ、インフラの整備、各種建物の建設が進んでいる。米軍や日本の支援団体からの支援も、少数民族の自治に貢献している。(2)メコン川流域との比較研究のため、珠江デルタ・サブリージョンにおける中国特別行政区と中国本土との境界周辺における人の移動と社会変化について、また、タイ―マレーシア国境からマレーシア―シンガポール国境にて拡大メコン圏開発プログラムに参加していない国家におけるインフラ整備の実態と出入国管理についての調査を実施した。(3)中国と東南アジア諸国との国境から離れた地域、特に2000年代初頭から開始された西部大開発の拠点となる成都、重慶にて、この地域の対外政策について大学機関・ワークショップにて聞き取り調査を実施した。(4)北東アジア学会およびConference of Association of Borderlands Studiesの年次総会にて、研究成果を報告した。
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Research Products
(2 results)