2015 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦史のなかの日本=ビルマ「特殊」関係―戦後日本と東南アジア 1951‐74
Project/Area Number |
23730180
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉次 公介 立命館大学, 法学部, 教授 (40331178)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 日本外交 / ビルマ / 賠償 / 経済援助 / ミャンマー |
Outline of Annual Research Achievements |
1.最終年度における研究の成果~最終年度においては、主に、①これまで収集したさまざまな資料の整理、読解を進め、②研究の最終的なとりまとめを行った。2015年7月には、東京大学にて開催された冷戦研究会第21回例会において、「戦後日本=ビルマ『特殊関係』の形成 1951-1963」と題する研究報告を実施した。ビルマ史研究の第一人者というべき根本敬・上智大学教授と、戦後日本の対東南アジア外交研究をリードする宮城大蔵・上智大学教授をコメンテーターにお迎えし、大変有意義な議論が交わされた。根本教授からは、戦後日本とビルマの関係史は、研究史上の空白となっており、外務省の一次史料を活用した本研究は、研究史上非常に重要であるとの指摘をいただいた。また、今年度においては、本研究事業で得た成果の一部を反映させた論考「アジア冷戦のなかの日米安保体制」(吉田裕ほか編『岩波講座 日本歴史 近現代5』)を刊行した。
2.研究期間全体を通じて実施した研究の成果~本研究は、研究史上の空白となっている戦後日本=ビルマ関係史を、外務省の一次史料や、各種新聞・雑誌資料を活用して、明らかにするものであった。今回は、とりわけ、戦後日本にとって極めて重要であった賠償問題の妥結に重点を置いて、研究を進めた。その結果、なぜ、いかに日本とビルマが早期に賠償交渉を妥結したのかについて、かなりの程度明らかにすることができた。本研究の最終的な成果は、上記の研究報告で明らかにした通りである。さらに、本研究事業においては、当初の予定にはなかったが、日本とミャンマーの現状についても調査を実施し、野田佳彦前首相、玄葉光一郎前外相、前原誠司元外相、菊田真紀子元外務政務官らへのインタビューを踏まえた論文「ミャンマー民主化と日本外交」(『世界』861号、2014年10月)を執筆した。
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Research Products
(2 results)