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2011 Fiscal Year Research-status Report

マッチングマーケットデザインの新展開:非2部マッチングの研究

Research Project

Project/Area Number 23730188
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

高宮 浩司  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40333588)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsマーケットデザイン / メカニズムデザイン / 社会選択 / マッチング / 提携形成
Research Abstract

マッチング理論のマーケットデザインへの応用は多大な成功を収めてきたが、既存のそれは全て2部マッチングに限られている。本研究の目的は非2部マッチングにおいて機能するマッチングメカニズムの設計・提案である。そのようなメカニズムの実装は現実社会における多様な資源配分問題に適用できる。しかし非2部マッチングでは、2部マッチングの場合と異なり、安定性条件とインセンティブ条件をクリアするようなメカニズムが一般には存在しない。そこで、本研究では、上述の条件を近似的にクリアするメカニズムの構築を目指す。そのために、計算機シミュレーションの助けを借りつつ、理論的な究明を行う。 平成23年度においては、当初計算機シミュレーションを中心に行う予定であったが、震災による予算の不確実性を考慮し、理論的究明を中心とした。理論的究明には他の研究者との意見交換、議論が不可欠であるので、研究協力者の訪問、学術会議の出席を複数回行い、そのインプットに基づき研究を進めた。 具体的な成果として、2部マッチングの既存の結果を非2部にどの程度まで適用できるかを解明すべく、それらの抽象的社会選択環境への一般化を試み、いくつかの理論的結果を得た。これは1月に開催された研究集会(第1回メカニズムデザイン社会的選択理論シンポジウム、於慶應大学)で報告された。また、以前から進めてきた提携形成モデル(非2部マッチングの一種)におけるメカニズムのインセンティブ条件についての研究に改善を行った。これは非2部マッチングのメカニズム設計全般に重要な洞察を与えるものである。当該論文はゲーム理論の国際的に有名な専門誌であるInternational Journal of Game Theoryに投稿され以前より審査中であったが、今回の改善に基づく改訂により最終的な受理が決定した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成23年度においては理論的な結果を複数得た。それらはいずれも非2部マッチングにおけるメカニズム設計全般に対して有意義な洞察を与えるものである。しかしながら、本研究の眼目は、近似的手法の使用によって、非2部マッチングにおける安定性条件とインセンティブ条件を確保することである。しかし、当該年度に得られた結果は既存の手法の延長線上にあり、まだ近似的手法を導入してはいない。したがって、本研究の最終目標まではまだ一定の距離があると言わざるを得ない。とは言え、得られた結果は近似的手法の導入に先立ち不可欠なものと評価できる。したがって、本研究は順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度以降においては、23年度に得られた理論的結果をベースに、本研究の目的である近似的手法を導入したメカニズム構築の確立に向け、さらなる理論的な究明を進める。そのために、第一に、23年度に引続き、非2部マッチングにおける既存の手法に基づいた理論的分析を行う。これは、2部マッチングで成り立つ好ましい性質を非2部にどの程度まで拡張できるかを見究める必要があるからである。第二に、第一の研究結果に基づき、近似的手法を導入し非2部マッチングに独特な困難の解消を目指す。第一および第二点の遂行には、ともかく理論的なアイディアが重要であるから、他の研究者との議論、意見交換が不可欠である。そのために、研究協力者の訪問、学術会議、研究集会への出席によって可能な限り他の研究者との接触を持つ。第二点については、計算機シミュレーションによる近似的手法の数値的な評価が理論的な究明の助けになる。その遂行には計算機科学を専門とする研究協力者の助力を仰ぎ、効率的に進める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

上述の推進方策にしたがい、理論的究明、計算機シミュレーションの両面において国内外の研究機関を複数回にわたり訪問する必要がある。したがって、そのための出張が主要な研究費の使途となる。計算機シミュレーションにおいては計算機科学を専門とする研究協力者を複数回にわたり訪問する。理論的究明においては、国内の研究協力者を複数回に訪問するほか、国外の研究機関をも訪問する。これらに加えて、計算機シミュレーションの進行状況によっては、計算機設備の拡充が必要になる可能性があり、これに対する支出もあり得る。平成23年度においては、震災による予算の不確実性を考慮し、計算機シミュレーションへの資源投入を手控えた。このため23年度助成金に未使用分が発生したが、これは24年度以降行われる計算機シミュレーションの実施のために使用される予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Foundations for monotonicity-type results in matchings2012

    • Author(s)
      高宮浩司
    • Organizer
      第一回メカニズムデザイン・社会的選択理論シンポジウム
    • Place of Presentation
      慶應義塾大学三田キャンパス(東京都)
    • Year and Date
      2012年1月20日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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