2013 Fiscal Year Annual Research Report
マッチングマーケットデザインの新展開:非2部マッチングの研究
Project/Area Number |
23730188
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高宮 浩司 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40333588)
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Keywords | マーケットデザイン / メカニズムデザイン / 社会選択 / ゲーム理論 / マッチング / ミクロ経済学 / 経済理論 |
Research Abstract |
マッチング理論のマーケットデザインへの応用は多大の成功を収てきたが、既存のそれは殆ど2部マッチングに基くものに限られる。(なお、2部の片側にのみ選好を持つものを1部マッチングと称する場合があるが、これも2部マッチングの一種と見做す。)本研究の目的は非2部マッチングに於るマッチングメカニズムの設計・提案である。非2部マッチングでは2部マッチングと異なり、安定性とインセンティブ条件との充足が困難である。本研究では近似的手法を以てこの困難の克服を目論み、計算機シミュレーションの支援を得つつ純理論的な究明を行う。 平成24年度以前に於ては、非2部マッチングの代表的モデルの1つである「ルームメイト問題」についてシミュレーションを実施し、その結果からの洞察に基き近似的要素を導入した新モデルを構築した。そこでの安定的配分の存在及び追加的条件下でのコアメカニズムのインセンティブ条件の充足を予想し、24年度にその証明に取掛った。これと並行して2部マッチングの既存結果の抽象的環境への一般化に取組み、また以前得ていた結果に改善を施した。 25年度に於る研究の主な結果は以下の通りである。(1)上述の証明に引続き取組んだ。この証明を以ては本研究の目的の一応の達成と見做し得るものであったが、一定の進展はあったものの、遺憾ながら年度内に完成には至らなかった。これは26年度以降実施される新たな研究計画の一課題として引継がれる。(2) 以前からの研究結果に改善を行った。これは本研究の目的に対しては副次的なものであるが、それ自体有意義な結果である。これは国際的査読付専門誌Theory and Decisionに掲載が決定した。 なお25年度前半は長期出張にあり、国内外の複数の研究者を訪問した。各滞在地で多様の意見を得て研究の遂行に資する処が大であった。
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Research Products
(2 results)