2013 Fiscal Year Research-status Report
国民健康保険財政における保険料(税)および補助金の決定メカニズムに関する実証分析
Project/Area Number |
23730217
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川村 顕 早稲田大学, 政治経済学術院, その他 (10422198)
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Keywords | 市町村国民健康保険 / 介護保険 / 保険料(税) |
Research Abstract |
本研究では、財政的な困難を抱える市町村国民健康保険(以下、国保)について、その保険者である市町村に着目し、国保財政の基盤をなす保険料(税)と国庫等からの補助金の決定メカニズムを実証的に明らかにする。国保被保険者の所得分布を考慮すると、補助金なしには国保財政を維持できないことは明らかである一方、補助金への依存傾向が過大な利用を招いている可能性がある。そこで、本研究では第1に、補助金の投入が国保利用者に対し、(どの程度)医療サービス消費を促すかについて、同じ区市町村が保険者である介護保険との比較分析を試みた。また、市町村が保険料(税)を決定する際に、(どの程度)周辺市町村の過去の決定に依存しているか、さらには、当該および周辺市町村の首長の政治的バックグラウンドや地方議会の構成といった政治的要因が、保険料決定にどのような影響を与えているのかという点を実証的に分析してきた。 平成25年度は昨年度に引き続き、国保医療費と補助金との関係について、国保と同じく保険者が市町村である介護保険と比較する研究を行った。これについては、昨年度よりデータの観測期間を拡大するとともに新たなデータを付加した分析を行い、追加的な分析を行った。その結果、より高い完成度の研究になったものと考えられる。また、今年度は昨年から手掛けている、保険料(税)と政治的要因の関係についてのデータ分析を行ってきた。これについては、現在より詳細な分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
国保と介護保険の比較については、おおよその目標には達したものの、保険料(税)と政治的要因との関係については次年度での課題としている。当初計画ではすでに終了しているものであったが、因果効果の推定フレームワークの設定に関して想定外の時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本来であれば本研究は3年間予定されていたが、保険料(税)に関する分析に想定外の時間を費やしたため、研究終了時期を1年延長する。保険料(税)と政治的要因の分析について、相関については観察してきたものの、因果効果についてはより詳細な分析を必要とするため、その課題を今年度行うものとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題の進捗が思わしくなかったため、研究報告が予定通りには行われなかった。その結果、旅費、学会参加費、論文校正費等に用いる予定であった費用が使われなくなった。 本研究課題の最終年度である平成26年度には、研究報告および論文投稿を予定しているので、それに伴う経費として、次年度使用額を充てる。具体的には、研究報告のための旅費、学会等参加費、論文校正費等である。
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Research Products
(1 results)