2012 Fiscal Year Research-status Report
民間高齢者施設の料金とサービス内容の関連性について
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23730239
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
小松 秀和 香川大学, 経済学部, 教授 (80330877)
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Keywords | 介護 |
Research Abstract |
本科学研究助成事業の一環として、新型民間高齢者施設である「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)に関する基礎的研究を実施した。具体的な内容は、今般の高齢者住まい法の改正による民間高齢者施設の再編に関するものである。 研究の結果、民間高齢者施設の新しい枠組みであるサ高住が、従来とは全く異なる施設の創出を促すものではなく、旧来からある施設を介護サービス以外のサービス(状況把握、生活相談等)によって再定義したものであること、サ高住の登場によって民間高齢者施設が介護及びそれ以外のサービスによって4つのカテゴリーに類型化できること、今後の民間高齢者施設が介護保険上の特定施設でないサ高住を中心に展開していくことなどを明らかにするとともに、サ高住の今後の展開次第で、現在の枠組みに変化をもたらす可能性、具体的には状況把握、生活相談サービスの提供とともに、併設事業所からの介護サービスの提供が一般化することで特定施設の存在意義が失われ、特定施設群とサ高住が将来的に統合される可能性について論じた。 サ高住は本研究事業の主要テーマである民間高齢者施設の根幹を将来成していくと予想されることから、本研究は民間高齢者施設の今後の展開を占い、基礎的な方向性を示すものとして意義があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「研究の目的」で記した有料老人ホーム等の民間介護施設の枠組みが、サ高住に登場により大きく変更されたため、サ高住の法的性格等に関する基礎的研究を今年度優先して行うこととなった。その影響で、本来の目的である民間介護施設に関するデータセット作成のための準備に手間取り、外部業者に対するデータ入力依頼も来年度に延期せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実施計画」では、有料老人ホーム等の民間高齢者施設のミクロ的分析のためのデータセット作成を本年度の中心課題としていたが、上記のような事情によりデータ作成が遅れている。今後は実施計画に記したように、データセット作成をできるだけ早期に終え、本研究事業の最終年度に当たる来年度に一定の研究成果を出したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究の推進方策にも記したとおり、有料老人ホーム等の民間高齢者施設に関するデータセット作成のための外部業者によるデータ入力費用を次年度の研究費として計上、使用する。その他、研究関連書籍の購入費、資料収集等のための旅費としての使用を予定している。
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