2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23730244
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
倉田 洋 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (60411245)
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Keywords | サービス産業 / 企業立地 / 費用格差 |
Research Abstract |
1.費用が異なる2地域への立地の効率性 サービス産業における、地域固有の費用が異なる2地域への企業立地の効率性に関する論文を作成した。寡占のサービス産業において、サービス供給に関わる限界費用が異なるケース、立地に関わる固定費用が異なるケース、両方の費用が異なるケースの3つについて、企業立地が経済厚生を最大にするという意味で効率的か、そうでなければ過剰か、過少かについて確認した。分析の結果、限界費用が異なるケースでは費用の低い地域に企業は過剰に立地するが、固定費用が異なるケースでは過少に立地することが明らかになった。両方の費用が異なるケースでは、産業の総企業数、限界費用・固定費用格差の水準により、効率的・過剰・過少のいずれの可能性も存在しうることが示された。特に、限界費用・固定費用がともに高い地域には過剰に、低い地域には過少に企業が立地する結果が得られた。本研究成果は海外査読誌へ投稿・審査中である。 2. 費用格差の変化と経済厚生 サービス産業における、地域固有の費用が異なる2地域への企業立地が行われる状況において、各地域の費用が変化した場合の経済厚生への影響に関する論文を作成した。寡占のサービス産業において、サービス供給に関わる限界費用が異なる場合、費用が高い地域でより費用が高く(低く)なるときに経済厚生が増加(減少)する可能性があることが示された。この結果は、サービス産業の特徴をとらえるうえで重要であり、サービス産業における望ましい政策について重要な示唆を与えると考えられる。本研究成果は、海外査読誌へ投稿・審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究の目的」で示したテーマのうち、2012年度はサービス直接投資の厚生評価・政策について得られた研究業績の学術雑誌への投稿に向けたブラッシュアップする活動を主に行った。その結果、現在2本の論文が投稿・審査中の状態である。並行して、垂直的サービス産業における立地の厚生評価に関する研究成果を作成中である。2013年度は国内外の学会・研究会で研究成果の報告を行い、学術雑誌への投稿・研究成果の発表につなげる。
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Strategy for Future Research Activity |
垂直的サービス産業における立地の厚生評価に関する研究成果を作成し、国内外の学会・研究会で報告を行う。関連する研究分野の専門家からの評価・アドバイスを受け、必要な修正を行う。最終的に、海外学術誌に研究成果を投稿する。サービス直接投資の厚生評価・政策について、2012年度に実施した研究成果に関連したテーマについてさらに研究を進める。両テーマについて、静学的視点だけでなく、動学的視点からの示唆を加えられないか検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は最終年度であるため、研究成果発表につながる支出を行う。具体的には、研究成果をまとめる際の資料整理等の人件費、各テーマについて専門的に研究している研究者とのディスカッション・成果発表を目的とした旅費の割合が高くなることが予想される。 その他、効率的な分析を行うために数値計算・シミュレーションソフトウェア等を活用する可能性がある。 また、研究成果を国際的な学術誌に掲載させるためには、英文を正しく理解されるように書かなくてはならない。そのため、ネイティブチェックの費用を十分に確保する必要がある。
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