2013 Fiscal Year Annual Research Report
国際共有資源の持続的利用に向けた協調的資源管理政策に関する理論分析
Project/Area Number |
23730257
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
寳多 康弘 南山大学, 総合政策学部, 准教授 (60327137)
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Keywords | 再生可能資源 / 貿易利益 / 資源管理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、国際的に共有される再生可能資源の管理について、一般均衡の貿易モデルを用いて分析することである。一般均衡分析を用いることで、市場間の相互作用を考慮に入れられる利点がある。再生可能資源の代表である水産資源は、経済発展を背景に需要が高まって貿易が活発で、過剰利用による資源枯渇を回避するための資源管理が望まれている。また、水産資源の大きな特徴として、その多くは国際的に資源が共有されている。このため、政府間の国際協調が重要となる。国際貿易が資源管理に与える影響、その逆の資源管理が国際貿易に与える影響を考察している。 研究の最終年度では、今までの研究成果のまとめを行うとともに、国内外の学会や研究会での報告を行い、研究成果のブラッシュアップを行った。 具体的には、これまでに構築した資源管理が存在しない下での国際貿易の一般均衡モデルに、資源管理を導入して分析した。資源管理は資源の採取に課税をするという形で導入した。資源管理と貿易パターンには密接な関係があることが分かり、貿易パターンの変化を考慮した上での各国政府の資源管理水準の決定について考察を行った。資源管理水準の緩和競争のような状態が生じて、その結果として資源採取の技術水準によって貿易パターンが決定される可能性が高いことが分かった。まだ分析が不十分な点があり、できるだけ早い時期に、理論の精緻化をさらに進めて、頑健生の高い研究成果としてまとめ、海外の専門学術雑誌への掲載を狙う。
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