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2011 Fiscal Year Research-status Report

若年世代の所得格差が存在する下での老年世代への年金給付の分析

Research Project

Project/Area Number 23730283
Research InstitutionThe University of Kitakyushu

Principal Investigator

安岡 匡也  北九州市立大学, 経済学部, 准教授 (90437434)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords社会保障 / 少子高齢社会 / 育児支援政策 / 所得格差
Research Abstract

科研研究テーマは「若年世代の所得格差が存在する下での老年世代への年金給付の検討」であり、今年度はこの研究に取り掛かるまでの基礎的な研究成果を雑誌や学会などで発表した。具体的には、若年世代の所得格差を考慮しない、すなわち同質的な若年世代を考慮した上での老年世代への年金給付の検討や育児支援政策について分析した。 日本財政学会では出生率内生化モデルを用いて、どのように保険料や税を集めることによってまた子ども手当などの育児支援政策による将来世代人口の増加によって年金給付の所得代替率を高めることができるのかを考察した研究論文を発表した。日本経済学会では公債発行による子ども手当が将来的に将来世代人口の増加を通じた税収増加効果により公債残高を引き下げることができるかどうかを考察した研究論文を発表した。また、これまでの科研費の補助を受けて継続的に研究してきたいくつかの研究論文について雑誌にて発表することができた。 これらの研究は若年世代の所得格差を考慮した分析ではないが、このような基礎的なモデルに基づいた分析を行うことによって、所得格差が存在することにより格差が無い場合と比べてどのような結果が追加的にもたらされるのかが明らかになるために、今年度行った研究は非常に重要であると考えられる。 所得格差を考察した経済モデルは多く存在する。例えば、家計間の所得格差によって家計間の教育投資に格差が発生し、それが人的資本の格差につながり労働所得に格差が発生する。また、正規労働、非正規労働による所得格差が存在する。この2つの所得格差を経済モデルに明示的に入れて分析を行うのが次の段階である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

若年世代の所得格差が存在する下での年金制度の在り方を検討するのが本研究のテーマである。この研究については次の予定で進めていくことを念頭に置いている。はじめは若年世代の所得格差が存在しない下での年金制度の在り方の検討である。若年世代の所得格差を考慮したモデルとしないモデルでの本質的な違いを提示することが本研究の意義であるが、そのためには所得格差を考慮しないモデルにおける分析が必要である。この分析については既に計画通り進めることができたと考えられる。次に、若年世代の所得格差を分析したモデルでの考察である。この考察についてはまだ研究発表には至っていないが、考察を進めている段階である。そして、この考察の後に閉鎖経済での考察である。税や保険料負担による資本蓄積を通じた若年世代の所得への影響を考慮するためには閉鎖経済での分析が必要である。この分析については次年度以降行っていく予定である。これまでの研究の進捗状況はおおむね当初の計画通りである。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の進め方として、大きく2つに分けて説明したい。まずは、研究発表をどのように行っていくかである。研究発表については学会での研究報告と雑誌での発表の2つを考えることができる。学会の研究報告については、次年度においては既に国内の学会で最低2回、海外の学会で最低1回行うことになっている。また雑誌については今後も積極的にレフェリー付き雑誌に投稿していく予定である。 そして、2つ目であるが、積極的に共同研究を行っていきたいと考えている。共同研究によるメリットは大きい。具体的には先行研究について十分サーベイした者と経済モデル分析に長けている者が共同研究を行うことによってより早く研究論文を作成することができる。また共同研究でディスカッションを行うことによって単独研究では思い付かなかった視点などに気付くなどメリットは大きいと考えられる。さらに、共同研究であれば、既に共同研究者が必要な文献などを持っている場合は、それを利用することもできるため、費用面でのメリットもあると考えられる。 以上のように今後研究を進めていく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

国内外の学会での研究発表に加え共同研究者とのディスカッションを今年度は多く行いたいと考えるので出張費としてある程度の支出を予定している。加えて、必要な書籍や論文を収集するためのその費用、海外の英文雑誌に投稿するための英文校閲費用、雑誌の投稿費用などが主な支出となる予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2012 2011

All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 少子高齢社会における最適な公的介護保険の規模2012

    • Author(s)
      安岡匡也
    • Journal Title

      商経論集

      Volume: 第47巻第3・4合併号 Pages: 47-60

  • [Journal Article] 内生的出生率と介護保険制度―リスクプール効果と制度維持可能性の考察―2012

    • Author(s)
      安岡匡也 中村保
    • Journal Title

      経済研究

      Volume: 63巻 Pages: 1-17

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 社会保障給付と貯蓄率2012

    • Author(s)
      小葉武史 三宅敦史 安岡匡也
    • Journal Title

      応用経済学研究

      Volume: 5巻 Pages: 55-68

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Multiple Equilibria between Fertility Rates and Pension Levels Based on the Target Level of Government Debt2011

    • Author(s)
      Nakamura H. and Yasuoka M.
    • Journal Title

      Theoretical Economics Letters

      Volume: vol.1-3 Pages: 95-98

    • DOI

      10.4236/tel.2011.13020

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Pension and Child Care Policies with Endogenous Fertility2011

    • Author(s)
      安岡匡也 後藤尚久
    • Journal Title

      Economic Modelling

      Volume: vol.28 Pages: 2478-2482

    • DOI

      10.1016/j.econmod.2011.06.003

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Sustainability of Pension System and Public Debt2011

    • Author(s)
      安岡匡也 三宅敦史
    • Organizer
      日本経済学会
    • Place of Presentation
      筑波大学
    • Year and Date
      2011年10月30日
  • [Presentation] Tax System, Replacement Rate of Pension and Child Allowance2011

    • Author(s)
      神野真敏 安岡匡也
    • Organizer
      日本財政学会
    • Place of Presentation
      成城大学
    • Year and Date
      2011年10月23日

URL: 

Published: 2013-07-10   Modified: 2013-08-07  

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