2012 Fiscal Year Research-status Report
途上国における賃金形態と内生的制度変化:個票データの行動経済分析
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23730284
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
中村 和敏 長崎県立大学, 経済学部, 准教授 (40304084)
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Keywords | インドネシア |
Research Abstract |
平成24年度は、統計資料の収集、現地調査(関連機関でのヒアリング及びフィールド調査の実施)、研究報告、論文の作成を実施した。 統計資料の収集に関しては、インドネシア中央統計庁において、研究に必要な統計の利用手続きと購入をおこなった。 現地調査に関しては、インドネシア農業省およびその付属研究機関でヒアリングを実施し、併せて資料収集にも努めた。また、インドネシア西ジャワ州のスカブミ県のチサアット郡にある農業普及所において、普及所職員および農家へのヒアリングを実施して、調査地における一般的な状況の把握をした。そして、前年度のパイロット調査の結果も踏まえた上で、最終的なアンケート調査票を完成させた。調査項目は、対象家計の一般的な属性、世帯主の属性、土地保有状況、就労状況、収入、技術導入の状況、賃金形態に関する詳細な情報、そしてリスクに対する姿勢(リスク回避の傾向)などである。そして、これを基にして、農家150家計に対し、農業普及所職員の全面的な協力の下、アンケート調査を実施した。現在は、アンケート調査の結果を分析するための準備を進めている。 研究報告に関しては、インドネシアの南カリマンタン州で開催されたIndonesian Regional Science Associationの国際カンファレンス、神戸大学で開催された国際開発学会に参加し、両学会において研究報告をおこなった。 また、これまでの研究成果の一部については、論文として2編発表をおこなった。これとは別に、英文の論文1編が平成25年度中に掲載されることが決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に計画していた中で、最も労力がかかり、実現のリスクがあった農家に対するアンケート調査(本調査)を、予定通り実施することができた。 また、研究発表や論文の作成も、予定から遅滞することなく、進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、農家に対して実施したアンケート調査の結果の分析を進め、統計的分析を実施していく予定である。そしてその結果の一部を国際開発学会および23rd Pacific Conferene of the Regional Science Association Internationalでの研究発表に反映させ、そこでのコメントを踏まえて論文の執筆をすすめていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の完成度と信頼性を高めていくため、 新たに発行された統計、および新たに分析に必要となった統計を購入する予定である。 また、農家に対するアンケート調査の結果については、欠損しているデータや整合性に問題がある情報が存在すると見込まれるため、そういった調査の不備を補完するためのフォローアップ調査の実施を計画している。 これらに加えて、研究の成果を報告するため、学会や研究会に参加することを予定している。
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Research Products
(6 results)