2014 Fiscal Year Annual Research Report
世界化が途上国にもたらす影響の統計分析とそのためのデータベースの構築
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23730285
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
瀧井 貞行 西南学院大学, 経済学部, 教授 (60311320)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 経済政策 / インドネシア / 多国籍企業 / 経済統計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の1つは,経済のグローバリゼーションが発展途上国にもたらす影響を分析することを念頭に,そのためのデータベースを整備することにある。分析には主に,インドネシア製造業種の事業所レベルのマイクロデータを用いている。最終年度前年度までに,このデータをパネルデータに変換し,これに実際の計量経済学的な分析に用いられるいくつかの変数を作成するために必要とされるデータベースを付け加える作業を行ってきた。具体的には,グローバリゼーションの程度を表す指標として,輸入浸透率を計算したり,関税データを利用して生産財の関税率を計算するのみならず,産業連関表のデータを用いて中間投入財の関税率を計算したりした。これらを事業所レベルの産業分類と整合的な形でデータベースを整備してきた。特に,最終年度においては,前年度までに作成した関税データよりも細かい産業(商品)分類を用いてデータベースを整備するとともに,事業所ごとの製品レベルのデータを入手し,事業所レベルと製品レベルのデータを接続した。 また,上記のように整備したデータベースを用いて,最終年度前年度までに,(1)直接投資が地場企業のパフォーマンスにもたらす影響を分析するために,前方連関効果と後方連関効果,水平連関効果を分類した,生産性スピルオーバー効果の分析,(2)関税削減が,熟練労働者と非熟練労働者間の賃金格差にもたらす影響についての分析,および(3)貿易の自由化の結果,輸入浸透が企業規模にもたらす影響についての分析を行ってきた。最終年度においては,これらの分析の改訂を行うとともに,スピルオーバー効果に関するより詳細な分析を行うために,製品レベルを用いて分析を開始したが,製品レベルのデータには,計量分析を行う上での不備が見つかり,十分な分析ができていない。製品レベルのデータの整備については,今後も継続的に作業を続けていく。
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Research Products
(1 results)