2011 Fiscal Year Research-status Report
物質フローバランスモデルによる陸域・沿岸域・海域総合分析
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23730287
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
櫻井 一宏 立正大学, 経済学部, 講師 (20581383)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 政策シミュレーション / 物質フロー / 流域圏 / 社会経済活動 / 環境負荷 / 陸海域モデル |
Research Abstract |
平成23年度は研究対象地域である東京湾流域に関して主にデータ収集とその整理を行った.まず現在の東京湾流域に相当する地域が過去どのような土地利用形態であったかについて,江戸時代末期から明治時代,さらに大正時代にかけての地図をもとに調査を行った.この結果,明治から大正期にかけて測量された図版より東京湾流域圏の土地利用区分を設定してデジタルデータ化し,面積を推計するなどデータの整理を行った.これは面源系の環境負荷推計や流域圏の物質フローを検討するための重要なプロセスとなる.また,同時代同地域における社会経済活動に関するデータとして人口と産業生産を取り上げ,それぞれ関連する資料やデータを収集した.これらのデータについても流域圏物質フローモデルにおける生活系と産業系からの環境影響を考慮するために検討する必要がある.本研究での重要な視点となる干潟・浅海域については,東京湾における明治時代の面積とあわせて現在に至るまでの推移についてデータを収集し,これらが物質フローにどのような機能を果たすものかについて検討した.海域データとしては,人為的作用によって物質フローに影響が生じる対象として,東京湾における過去の水産資源の漁獲に関するデータを収集した.もうひとつの研究対象地域である有明海とその流域に関しては,漁業の実態,そして沿岸域の環境や水質の現状について現地調査を中心に情報収集を行った.調査によって干潟や浅海域が比較的残存していることが確認され,その機能や環境的特徴について検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象地域のひとつである東京湾流域圏に関する情報の収集について,過去の土地利用や人口および漁業などの産業等必要となる陸域データの作成は当初の計画通り進行している.さらに浅海域などについても情報の収集・整理は概ね実施することができた.有明海とその流域については地形や漁業の現状等一部のデータ収集を進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
東京湾流域については収集したデータを詳細に分析し,陸域と沿岸域,海域のそれぞれの関連を整理してモデル構築を進める.また,有明海とその流域についても今後さらに陸域・沿岸域・海域それぞれの現状のデータを収集の上分析を行い,物質フローモデルについて検討を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
資料収集,GISデータの作成,現地調査等
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[Presentation] Socio-economic and Environmental Modeling of the Tokyo Bay Basin: Comparison of the Water Pollutant Estimation in Proto-industrialized Age and Modern Age2011
Author(s)
Sakurai, Katsuhiro, Takahashi, T., Aoyama, J., Kobayashi, S. and Fujioka, A.
Organizer
51st European Congress of the Regional Science Association International
Place of Presentation
Barcelona, Spain
Year and Date
30 August-3 September, 2011
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