2012 Fiscal Year Annual Research Report
パンデミックを想定した感染症リスクと観光経済政策の有効性の検証
Project/Area Number |
23730294
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
奥山 忠裕 長崎県立大学, 経済学部, 講師 (20422587)
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Keywords | 観光 |
Research Abstract |
2009年,我が国において新型インフルエンザ感染者の確認と,それに伴う厚生労働省からの対策宣言がなされたことは記憶に新しい。この新型インフルエンザは世界規模での感染症(パンデミック)が予想された危険な感染症であった。本研究は,新型インフルエンザのような地球規模の感染症を対象とした外部不経済の影響の理論および実証分析を行うことを目的とする。観光を対象として,消費者の社会厚生や企業の生産性への影響を分析し,人命に関わる感染症への経済対策の有効性を示したいと考えている。そのため,以下の問題設定に従い,研究を行った。 仮想的状況下における消費者・企業行動の理論分析~ここでは,不確実性下/リスク存在下における消費者行動理論の模索を行った。特に,市場行動を中心とした消費者行動モデルでは,何らかのリスクが存在する場合の行動データを取得することが困難なことから,仮想行動法を用いた研究に着目し,分析を行った。対象は,北海道,特に,ラムサール登録サイトへの旅行行動と仮想的状況の関連性の分析を行った。あるサイトの質的変化が発生したという仮想的な状況を想定した場合,個々人の観光への意識・行動がどの程度変化するかについて,インターネットを通じた調査を行うことで分析を行った。その結果,ある仮想的な行動を想定した場合,遠距離に在住するものほど,仮想的な状況の影響を受けにくいことがわかった。この結果を用い、鳥インフルエンザを想定した支払意思額の計測を行った。一つは表明選好法に基づく方法であり、自身の近隣の地域で発生した場合、鳥インフルエンザに対する防災対策費用は約2000円、地域外の場合は1800円程度となることがわかった。さらに、仮想行動法によって鳥インフルエンザが発生した地域への旅行行動は発生約1年後という回答が最も多くなった。
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Research Products
(2 results)